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東京へ(ソロツーリング 後編) [異国・旅・旅行]

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4日目です。この最終日は、若かりし頃によく走りに行った、伊豆の椿ラインや芦ノ湖スカイラインを堪能して帰路に就く予定でした。しかし、天気予報は雨。今回の4日間のツーリングで、できる限り雨天走行はしたくないので、2週間天気予報を毎日見て決めた日程だったのですが、まあこの時期ですからしかたないです。熱海のホテルを出る時にはまだ降ってませんでしたが、どんよりとした厚い雲で、いつ降り出してもおかしくない空模様。そこで予定を変更して、箱根経由ではなく、最短距離(最速)で家まで早々に帰ろう、と走り出しました。伊豆半島を横断して三島に着く頃にポツリポツリときて、雨天走行は確実なので、給油のついでにレインウエア装着。新東名に乗って富士を過ぎる頃から本降りとなり、しかもかなりの雨量。雨天走行をこんなにも長く続けるのは初めてのことなので、慎重に走りました。用意したレインウエアは期待通りの働きをしてくれましたし、ヘルメットのシールドに塗る携帯用の防滴材を持って行ったのも役立ちました。また、雨天でもしっかり接地感を与えてくれるタイヤには助けられましたが、やはり雨天は楽でも楽しくもないですね。
ただ淡々と家を目指したのですが、愛知県に入ってから酷い工事渋滞に遭った時はまいりました。結構な雨の中での極低速のノロノロ運転は、自動車なら楽しくはなくとも苦ではないかもしれませんが、バイクはMTですからクラッチ操作を常に続けていなければならず、それが30分以上も続けば雨天の中で体力を削いでくれます。

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それでもまあ、何とか午後4時過ぎには自宅に無事到着。荷物を下ろし、濡れた衣服を着替え、汚れ物などを洗濯機に突っ込んで、やっと一息。やっぱり疲れました。車検が終わったばかりの愛車は、この4日間の行程で一度も裏切るようなことは無く快調で、それ故に無事に帰ってくることができたと思ってます。ずぶ濡れのCBRは、翌日にしっかり時間をかけて洗うことにしました。この4日間の総走行距離は約855km。総給油量は34.95リットルですから、平均燃費は24.46km。高速道路走行が多かったとはいえ、このCBRを手にしてからの最高燃費でした。

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なお、今回のソロ・ツーリングのために、「スロットルアシスト」(キジマ製)を使いました。これは一定速度で走り続ける場合、バイクのスロットルを握るのではなく、手のひらで押さえているだけで済むための用品です。安価なものですが、今回のように高速道路走行が多い場合は大変重宝することが分かりました。手の疲労感が全然違います。
https://shop.tk-kijima.co.jp/item/IEG0003N01464.html
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今回の3泊4日の東京ツーリングの総括です。最終日の雨のせいで、伊豆・箱根走行ができなかったのは惜しまれますが(それはまた機会を改めて行くことにします)、それ以外は立案通りの行程をこなすことができ、満足しています。主目的の旧友との再会も果たせましたし、東京在住の長女&長男にも会うことができました。何より、初めての長距離ソロツーリングで何のトラブルもなく無事に帰宅できたことは良かったと思っています。しかし、気付いた点・気になった点も幾つか有ります。以下に箇条書きにしてみました。
・今回の全行程で、バイクのいわゆる「すり抜け」行為は一切しませんでした。高速道路でも一般道路でも、前車の後ろについて走ることに徹しました。すり抜けが危険を伴う点がその理由ですが(あまり知らない道ですし)、そうなると自動車で走行するのと時間的に変わりません。バイクの方が早い、ということはありません。しかし肉体的な疲労は明らかにバイクの方が有り、しかも天候による影響もバイクの方が明らかに大きい。暑くても寒くても、好天でも荒天でも、エアコンの効いた車内に居ながら移動できる自動車の方が快適で、故に疲労が少ない。高速道路を時速100kmで走る時の風圧は無視できませんから、自動車に比べバイクは休憩時間を取る回数が多くなりがちですから、バイクの方が時間がかかってしまうケースも出てくるかもしれません。つまり単なる移動手段としては、自動車の方がバイクより優位であるといえると思います。
・経済的側面では、今回は割安なツーリングプランを使いましたが、それ以外の高速道路通行料はバイクと軽自動車では基本的には同じです。バイクの方が断然安い、とまで言えません。また燃費についても前述のように、今回は平均燃費は24.46kmでしたが、これは高速道路主体では、似たような燃費を軽自動車でも出せるかもしれません。ハイブリッド車なら、これより良い燃費を出せるでしょう。燃費は運転のしかたに左右されますが、それはバイクも自動車も同じです。一般道路主体なら、バイクの方が燃費的には優位かもしれませんが、それでも昨今のハイブリッド車は同等の燃費を出すと思います。そう考えると、燃費的にバイクの方が断然優位とは言えません。更に、自動車に比べバイクは燃料タンクが小さく(私のCBR650Dは15リットル)、300kmも走れば警告灯が付くので、どうしても給油したくなります。自動車なら、ハイブリッドでもない私のハリアーでも、400km以上は楽に無給油で走れますから、バイクの方が給油回数が増えてしまい、時間を取られます。
・郊外路などをスムーズに走れれば快適で良いのですが、今の日本でそのような道路は多くはありません。一旦渋滞に捕まってしまうと、MTのバイクは一気に快適性が失われ、疲労が溜まります。つい、すり抜けをしたくなりますが、でもそれは危険度が増す結果となります。また、この季節ではバイクは止まれば途端にエンジンからの熱気が上がってきて、暑いです。
・以上のことを考えると移動手段として、時間的に、経済的に、安全面で、肉体的疲労面で、バイクより自動車の方が優位だと思いました。
・今回のツーリングではシートバックを装備して行きましたが、積載に関しては、バイクは自動車に全く及びません。手土産を買って持って行きましたが、その大きさは制限されましたし、直射日光の当たり続けるバックの中に入れることを考えると、内容品にも気を使います。今回は初夏だったので着替えも薄いもので済みましたが、これが冬ならば、着替えの衣服にためにもっと容量が必要になると思われます。それに比べ自動車は、たとえミニマムの軽自動車であっても、積載にこれほど苦労することはありませんし、もちろんレインウエアも必要ではありません(傘は必要かもしれませんが)。なお、今回使用したシートバックは、拡張機能もあって、今回のツーリング荷物の収納にはピッタリでしたが、夏の3泊4日であることと土産品の大きさ制限があることは覆りません。
・道の駅などに立ち寄った際や食事や休憩の為にSAの施設内に入る場合、このシートバックを外して持って行かないと不安です。バック自体が施錠でき、ワイアーロックなどでガッチリとバイクに固定してあれば、そうではないかもしれませんが、バックをむき出しのまま駐車しておくことに私は抵抗がありました。鍵のかかるハードケースならば、その不安は幾分解消できるでしょうから、バックの選択を誤ったかもしれません。ただ、バイクを駐車して、グローブを外し、メガネを外し、ヘルメットを脱ぎ、ヘルメットホルダーに固定し、バックを外して持って行く、その一連の行為が毎回必要になると思うと、自動車ならもっと簡単なのに、とつい思ってしまいました。
・バイクウエアは、たとえ夏用のメッシュ生地のものでも、走行風が当たって快適になるように作られています。停車した途端、走行風はゼロになりますから、上記のような立ち寄り先での作業をしていると、この季節ではそれだけで汗が出ます。雨天なら、それらの作業をしている間でも雨に打たれ続けます。これが自動車なら、財布だけ持ってスッと出て、小走りすれば施設内に入れます。鍵はリモコンキーで少々車から離れてもロックできます。汗もかきません。別に汗をかくことに抵抗がある私ではありませんが(サッカー撮影ではイヤというほど汗をかいてますから)、人に会う予定が有れば汗の臭いを気にすることになりますし、ヘルメットを脱いでボサボサの髪では失礼な場合もあるでしょう。それらの点でも、バイクは余計な手間と配慮が必要になってしまいます。
・昨今では特に都市部で二輪用の駐車場の普及が進んでいるとの話が有りますが、(小型のスクーターならまだしも)まだまだ探さないと見つかりません。更に一晩駐車するとなると、屋根がある駐車場を探してしまいます。料金も、昨今の自動車のコインパーキングに比べてバイクの方が格段に安い、という程でもないです。また、バイクはちょっと手で押しただけで倒れてしまいます。倒れれば傷ついてしまい、最悪の場合は走行に支障が出てしまう場合が有りますから、駐車場所には気を使います。自動車とて車上狙いに気を付ける必要はありますが、手で押したぐらいでは動きませんし、昨今の車はセキュリティー面でバイクよりは断然優位であることは疑いないと思われます。
・基本的に自動車は、鉄とガラスでできた箱の中で移動します。それに比べバイクは、ヘルメットを被ってはいますが、剥き出しのわが身のまま移動します。それ故、周りの環境の影響を受けやすいです。上記にネガティブなことを書きましたが、今回のツーリングで海沿いを走った時、富士山の裾野を走った時などは、バイクで来てよかった、と思いました。外環境を如実に感じられ、自然の中を走っている心地よさを肌で感じられます。これは決して自動車では得られないものです(オープンカーなら得られるかも)。ただ、855kmという全行程の中で、そんな心地よさを感じて走れたのはどのくらいか、と問われれば、一割にも満たないと思います。その一割にも満たない距離で得られる心地よさが、他で被るネガティブ面を凌駕するのか、といえば甚だ疑問に感じます。ただ、これは今回の行程での話で、もっと別なルートを走る場合は逆転するかもしれません。バイクツーリングでは、バイクで走って心地よさを感じられるコースを、より長く走れるような行程をとります。そうなれば、バイクで走って得られるプラス面がネガティブ面を押さえることになるかもしれません。この辺りの感じ方は個人差が大きいし、「バイクが趣味」という方は、ただバイクに乗るだけでも得られる満足感や楽しさが有ると思います。趣味の分野となれば、単に損得勘定やプラスマイナスだけで論じるべきではないでしょう。
・今回の結論として、移動手段として自動車とバイクを見比べてみると、自動車の方に軍配が上がると思いました。自動車しか持っていない、バイクしか持っていない、そういった方は選択の余地が無いですが、両方持っているのならば、時間・経済・安全・疲労など多くの場面で自動車の方が優位だと思います。故に私は、次回東京へ行くようなことがあれば、バイクではなく自動車を使うと思います。しかし、それは移動手段として比べた場合であって、バイクでしか得られない快適性や喜びというものも認識しています。なので、バイクで行って楽しい、バイクで行って心地良い、といった部分が多い行程の場合はバイクで行くでしょう。でもそれは、バイクで行くことを前提にしたツーリングプランを立てないとできない行程だと思います。

長々と書いてしまいましたが、バイクで行ってこそ分かったことですし、自動車とバイク両方を所持しているから比べられたことですし、今回のような長距離を走ってみて分かったことです。何事もやってみないと分からないこともあります。決して後悔している訳ではなく、より良いバイクの使い方の理解が深まったと感じて、その上でこれからもバイクと付き合って行こうと思っています。
(上記の記述は、今回の行程を650ccのCBRで走って得た、あくまで個人的な感想です)

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