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ノーサイド [サッカーあれこれ]

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県サッカー協会のカメラマンとしては、試合中のプレイ写真だけでなく、試合後の表彰式や優勝チームの集合写真を撮ることも必要です。上の写真は、先月行われた小学生のサッカー大会の表彰式後に撮った写真です。青色ユニフォームと緑色ユニフォームのチームが決勝戦で対戦し、前後半を戦っても決着つかず、その後の延長戦でも決着つかず、最後にPK戦にて緑色チームが優勝となりました。この酷暑の中での激戦でした。全員が精一杯戦った末の結果でした。その表彰式後に各チームの集合写真を撮り終えた私は、帰り支度をしようとした矢先でした。決勝戦を戦った両チームが一緒に写真を撮りたい、と言うのです。そして撮ったのが上の写真です。ご覧のように2チーム2塊が一枚になるのではなく、両チームの選手たちが入り混じって一つの塊になっています。しかもみんな笑顔でした。こんなシーンは、サッカーを撮り始めて20年、県サッカー協会カメラマンとして様々な年代の大会を撮り続けて15年になりますが、極めて稀(2回目)なことでした。
以前のブログで、「敗者の表彰式」という題で記事を書いたことがあります。決勝戦で勝利したチームの選手たちは、保護者や応援者も含めて、歓喜の渦の中にいます。それに対して敗者の立場に追いやられた選手たちは、悲しみと落胆と後悔の念に苛まれています。試合とは、勝負とは、勝者と敗者を決めるもの。試合直後の表彰式は、時に残酷に見えることがあります。傍で撮る身として、察するに余りあるものがあります。しかし、今日は敗者でも、これから先ずっと敗者に甘んじ続ける訳ではない。今日は勝者でも、その勝者でありつづける困難さは尋常ではない。今日の敗者は思いっきり涙を流せばいい。今日の勝者は思いっきり歓声をあげればいい、そう思いながら、毎回表彰式の写真を撮っています。
ノーサイドとは、「試合が終われば敵も味方も関係なく、お互いの健闘を称え合い、感謝する」というラグビーの精神を象徴する言葉として使われ、耳にします。ただ、この言葉の持つ意味はラグビーだけに留まらないでしょう。他の多くのスポーツにおいても、試合や大会という勝負の場が存在する以上、この言葉とその意味は通じることだと思われます。確かに人の心は手のひらを返すようにはいかない。喜ぶ心を封じることも、悔しさを握りつぶすことも、試合直後となれば尚更、難しい。それでも、この言葉の意味を、存在理由を、理解して知っておくことは決して無駄ではないと信じます。
「俺たち仲間だから・・・」、撮り終えてカメラを下ろした私の耳に聞こえてきましたが、上の写真に写っている誰が言ったのかは分かりませんでした。

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