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CANONへの超個人的一考察2(後編) [カメラ機材]

前回の続きです。

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EFレンズ群の中にEF100-400mm F4.5-5.6 L IS という、サッカー撮影にはポピュラーなレンズが有ります。Ⅰ型が1998年11月に発売開始されましたが、その16年後の2014年12月にⅡ型が登場しました。その際、Ⅰ型の直進式ズームが回転式(インナーフォーカス)に変更されました。直進式だとどうしてもズーミングでレンズの体積の増減が起き、よってレンズ内へのゴミ等の侵入の心配があるので、回転式となったことで多くのユーザーから賛辞が出たことを憶えています。たとえ全長や重量が増しても、です。ところがキヤノンは、似たタイプのレンズ(RF100-500mm F4.5-7.1 L IS)でズーミングで大きく全長の変わるレンズを出しました。小型軽量化の為だと思います。レフ機に比べミラーレス機のボディは小型化が可能ですから、それに合わせてシステム全体の携帯性を重視した結果だと思います。しかし一般的に言って、カメラやレンズに数十万円を費やせる人は、一般消費者の内で限られた人だと推測します。低価格機において小型・軽量化は重要ですが、そうしたコアな方にとって(高価なLレンズを求める方にとって)、それを選択するメリットがどれほど有るのか無いのか、私には疑問です。キヤノンは全国のサービス拠点を縮小し、簡単なセンサークリーニングですら、送料と有償サービス分を支払って大分まで送らなければならないのですから。

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前回、キヤノンが2018年9月以降に発売したレンズを書きましたが、同様にボディも発表順に以下に記します。カッコ内の価格は、2月3日現在の実売最安値(ボディのみの価格コム最安値)です。

EOS R (175296円)
EOS RP (125580円)
EOS Kiss X10 (64330円)
EOS 90D (141000円)
EOS M6 Mark2 (108000円)
EOS M200 (53800円)
EOS 1DX Mark3 (748000円)
EOS Kiss X10i (103950円)
EOS R5 (455400円)
EOS R6 (300770円)
EOS Kiss M2 (71207円)

「開発のほぼ終わっている、開発がかなり進んでいる機種・レンズに関しては、時期を見て順次市場に投入していくが、今後は白紙から設計するようなEFマウント機やEFレンズはほぼ無いだろう」と前回、2018年9月当時の記事から引用しましたが、ボディに関してもほぼ当てはまると思います。上記にあるミラー機、KissX10・90D・1DX3・Kiss X10i は、そのスペックを見る限り、従来機にその時点の技術を追加したマイナーチェンジ機のような印象が有ります。今後これらの後継機が登場する確率はかなり低いと言わざるを得ません。それに比べミラーレス機は、モデル毎に着実な進化を感じます。ミラー機が急速に消滅することは無いにしても、EFレンズ同様、今後キヤノンからミラー機が登場する可能性はかなり低いと思われますし、有るとすればミラーレス機で得られた技術を取り込んだ機種ですが、ミラーレス機とRFレンズを売りたいメーカー側としては、それが有ったとしても随分先のような気がします。対してミラーレス機には、今後も開発に人的・経済的資源を投入して性能が上がっていくでしょう。それは、フィルム一眼レフからデジタル一眼レフへの変遷を見れば明らかです。ミラー機とミラーレス機との性能差が広がり続け、ミラー機の陳腐化を招くでしょうが、それがメーカーの望んだ未来なのでしょう。
受像センサーでファインダー表示(EVF)させつつ、AF機能を高度に盛り込むには、多くの時間と労力がかかったことと推察します。その結果、ミラーレス機とRFレンズ群は総じて高価です。EFレンズをお持ちのキヤノンユーザーの方は現在のRFレンズ群の価格を比べてみてください。もちろん従来のEFレンズよりも性能面の高評価は得れているようですが、価格に見合ったものでしょうか。これは、開発費を回収する為には利幅の大きな商品から販売していく、という自動車メーカーでよく見られる手法です。更に、機を見るに敏なSIGMAなどのレンズメーカーにRFマウントの情報を公開していないのか、そのレンズメーカーからRFマウント対応レンズが未だ(2年4か月以上経っても)発売されていません。要は、キヤノンのミラーレス機を使いたければ、キヤノン純正レンズを買ってください、ということでしょう。これは利益の囲い込みであり、ミラーレス機を普及させるトップメーカーとして狭量すぎはしないか、そうしないとカメラ業界で生き残っていけないのか、と思ってしまいました。
愚痴めいた記述になってしまいましたが、ミラーレス化の流れは今後変わらないでしょう。ミラー機・ミラーレス機それぞれにメリット・デメリットはありますが、技術の進歩はそれを穴埋めしていくものと思われます。もはや今後、EFマウント機やEFレンズが登場する可能性は極めて低いと言わざるを得ませんし、RFマウントレンズは(どのようなスペックであろうと)拡充していくことと思います。高価で利幅の大きなレンズが行き渡れば、RFレンズにも比較的安価な普及レンズが登場するでしょうが、この流れは変わらないでしょう。そしてこの流れは、私のような従来のEFレンズユーザーへ決断を迫ります。順次ミラーレス機とRFレンズへシフトしていくか、これまで通りEFレンズを使い続けるか、です。フィルム一眼レフカメラがデジタル一眼レフカメラに取って代わったように、ミラーレス機は今後ドンドン性能を上げていくことでしょう(価格が下がるかどうかは怪しいですが)。前者の選択をすれば、割高感のある投資を今後続けていかなくてはならないでしょう。後者の選択をすれば、キヤノンはEFマウント機やEFレンズをいつディスコンするか分からず、ディスコンされればメーカーの部品保有期限が決まり、自ずと修理可能期間が決まりますから、如何にこれまで投資してきたとしても、その覚悟と準備が必要になることでしょう。現にちょうど一年前に私が手放した7D MarkⅡは、昨年中にカタログから落ちてしまいました。
私ですか? 現在の私は、サッカーを撮り続ける限り、これまで通りの機材で臨むつもりです。ミラーレス機に移行の意思はありません。今のミラーレス機とRFレンズで、私の手持ち機材以上の画が得られる(サッカー撮影で)とは思えないからです。ただ、サッカー以外の撮影ではミラーレス機も悪くないかな、と思い始めています。あくまで、今のところ、ですが。

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長くなってしまいました。以上は何の根拠も特別な情報も無い、あくまで個人的な考察でした(間違っていたらゴメンナサイ)。

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CANONへの超個人的一考察2(前編) [カメラ機材]

2018年9月に「CANONへの超個人的一考察」という記事を書かせていただきました。それから2年4か月以上経った今、再度キヤノンへの個人的な意見を書かせていただきます。なお前回同様、私は独自の情報網が有る訳ではない一人のユーザーですから、あくまで私一個人の考察ということで。
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その2018年9月当時、RFマウントが発表され、フルサイズセンサーを搭載した本格的ミラーレス機「EOS R」が発売開始された時でした。その際私は、「キヤノンが「EF-R」ではなく「RF」と呼んだことに本気度が窺えるような気がしています」と書きましたが、その通りになったようです。そこから今までに発売されたキヤノンレンズを、発表順に以下に記します。カッコ内の価格は、2月3日現在の実売最安値(価格コム最安値)です。

RF28-70mm F2 L USM (374220円)
RF50mm F1.2 L USM (289575円)
RF24-105mm F4 L IS USM (138105円)
RF35mm F1.8 macro IS STM (61000円)
EF-M 32mm F1.4 STM (53800円)
RF85mm F1.2 L USM (312000円)
RF24-240mm F4-6.3 IS USM (114500円)
RF24-70mm F2.8 L IS USM (272250円)
RF15-35mm F2.8 L IS USM (262800円)
RF85mm F1.2 L USM DS (371250円)
RF70-200mm F2.8 L IS USM (306900円)
RF24-105mm F4-7.1 IS USM (55480円)
RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM (331650円)
RF800mm F11 IS STM (111870円)
RF600mm F11 IS STM (87120円)
RF85mm F2 macro IS STM (74250円)
RF70-200mm F4 L IS USM (193050円)
RF50mm F1.8 STM (25740円)

何とEFレンズが一つも無い! それに比べRFレンズが広角から望遠まで一気に増えました。前回2018年9月の時に私は「現時点で開発のほぼ終わっている、開発がかなり進んでいる機種・レンズに関しては、時期を見て順次市場に投入していくが、今後は白紙から設計するようなEFマウント機やEFレンズはほぼ無いだろう」と書きましたが、そのとおり、というか、それ以上にキヤノンはレンズ交換式ミラーレス機とRFマウントレンズに注力していることが分かりますし、今後もこの傾向が続いていくのは間違いないと思います。しかしこのRFレンズ群を見て私は、どうも納得し難いものが有ります。

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私がサッカーを撮り始めたのは、2002年秋から。当初はフィルム一眼レフカメラでしたが、翌年CANONが発売したEOS 10Dを購入して以来、キヤノンデジタル一眼レフカメラを使い続け、今に至っています。当時のカメラボディはまだ発展途上でしたが、レンズは既に完全電子マウントのEFレンズ群がありました。デジタル化に向けてリニューアルされたものも有りましたが、キヤノン純正レンズはどれも、開放F値はF5.6を限度とする、フィルター径は77mmまで、というものでした。フィルター径に関しては、広角レンズで後日82mmのものが登場しましたが、コレは仕方ない部分もあると思っています。また、たとえ他者(レンズメーカー製)から人気製品が出ても、それだけはキッチリ守ってきたのは、きっとキヤノンのカメラメーカーとしても矜持(きょうじ)だったと信じています。
時代は変わり、現在はミラーレス一眼カメラへの移行が進んでいます。その為にEFマウントではなく新しくRFマウントを作り、RFレンズを増やしつつあります。マウントの変更はユーザーにとって大きな問題です。これまでのEFレンズがRFマウント機には付かないのですから。なぜ新しいマウントを作ったか。一言で言えば、ショートフランジバックの恩恵を最大限に活かすため、ということでしょう。ミラーボックスを必要としないのですから、レンズ後端から受像素子までの距離を短くできれば、カメラ自体の小型軽量化と共に、レンズを通して来る光のロスを少なくすることができます。また画角的にも設計許容度が上がると思われます。その結果、上記のRFレンズで言えば、RF28-70mmでF2を実現した、RF24-70mmでISを付けながらもF2.8を実現した、ということでしょう。ここまではキヤノンの技術力を垣間見られます。
しかし、です。上記のRFレンズには、開放値がF6.3やF7.1のもの、更にはF11などというレンズも有るではありませんか。キヤノンのレンズメーカーとしての矜持はどこへ行った?と私は思ってしまいます。ショートフランジバックの恩恵を受けれるRFレンズこそ、EFで出来なかった明るさのレンズを並べて欲しかった、と私は思うのです。もちろんレンズは、開放F値の明るさのみで優劣が決まるものではない、それは一つのファクターに過ぎない、ということは理解しているつもりです。それでもRFマウントはフルサイズセンサー用のレンズ群です。レンズ交換式カメラにおけるレンズとは、撮影者の表現の融通性を大きく左右します。開放F値がF2.8のレンズを絞ってF5.6で撮ることはできても、逆は不可能です。EFレンズを放っておき、全社的にRFレンズに注力したのなら、キヤノン程の大会社なら、F5.6より暗いレンズなど出してほしくなかった、というのが私の本音です。「F7.1であろうと、F11であろうと、キチンとAFは作動します」と言ったとしても、です。
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