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サッカー撮影03(ギリギリのフレーミング 中編) [サッカー撮影]

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「そんな大きく撮れと言われても、あなたのように高価な長焦点のレンズを持っていないので無理」という声が聞こえてきそうだ。しかし、幸いなことに、サッカーは被写体が動いてくれる。ピッチのどこで撮っていても、目の前でプレイされることが、一試合のうちに何度か必ず有るはず。その時に、「近すぎてダメ」とか「はみ出るからダメ」とかで諦めてしまわずに、果敢に狙ってほしい。同じ移動距離だとしても、遠くだとレンズを振る角度は小さくて済むが、眼前に迫る選手ではその角度は大きくなり、それに加えて近づくほどに被写界深度は浅くなり、シャッターチャンスは一瞬だ。いくら優秀な機材でも、ジャスピンの確率は低くなる。でも、「選手を大きく撮るチャンス!」と捉えて欲しい。

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縦でも横でもファインダー内で、狙った選手の手足が切れない程度のギリギリの大きさに撮るチャンスは、広いグランドを動きまわるサッカーの場合、かなり少ないと言えるが、ズームレンズはその可能性を幾分広げてくれる。ただ私もそうだったのだが、最初はどうしても「無難に」といったフレーミングをしがち。せっかく画角が可変できるレンズを使っているのだから、ある程度撮り慣れてきたら、その面でも攻めの撮影を試してみることをお勧めしたい。「手足が切れても構わない、今撮りたいのはコレ」と。難しいけれど、それが出来た時はきっと「手ごたえ」を感じられると思う。

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「そんな大きく撮れと言われても、そんな画ばかり狙っていたのでは、歩留まりが悪すぎる」という声が、特にチーム撮りをしている方々から上がってきそうだ。確かにそのとおりだが、大丈夫。ズームレンズを使っていても、一試合を通じて、そんなに大きく切り撮れるチャンスはそう多くはない。ということは、それ以外の殆どが、ファインダー内にスンナリ収まるか、トリミングで対処しなくてはならないような場合の方が、サッカー撮影では多い。遠くて小さくても、今この選手を一応押さえておかなければならない、そういった撮り方を要求されることは、チーム撮りにはよくあること。では逆に、ファインダーから選手がはみ出るぐらい間近に迫った時も、押さえておきたいシーンに違いない。

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選手が画面からはみ出るか出ないか、ギリギリの大きさで撮ってみて欲しい。もちろん、ジャスピンでないと意味が無い。そうすれば、今まで無難に画面内に配置していた選手の画から見ると、大きくインパクトが変わることに気付くはずだ。そこには選手が一瞬見せる苦渋の表情だったり、頬をしたたり落ちる汗が見えたりする。それは遠くから眺める観客や保護者が見ることのできないもの。そしてそれこそが、大きく撮ることの魅力だと、私は思うのだ。

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(今回も、掲載画像は全てノートリミングです)

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山香

旧ブログの最後にコメントしたSWWJF479こと山香です。
ユースさんのブログに刺激を受けて、子供のサッカーを最近30D+70-200F4で撮りはじめましたが、やはり難しいですね。
毎日チェックしてるユースさんのブログの「初心者こそ上位機種」「今しか撮れない写真」という内容が頭をグルグルでした。
でも分不相応と思って諦めてはいました・・・
が・・・昨日の県大会直前の先週、ついに、1DⅡN+300F4ISをヤフオクでポチってしまいました。
昨日午前中の試合、前日夜に届いたばかりの機材を使ってみました。
操作方法すらよく分からない状態での使用となりましたが、「初心者こそ上位機種」の意味がよく分かりました。
これからも、毎日(?)楽しみに拝見させて頂きます。


by 山香 (2010-12-12 12:58) 

ジュニアユース

SWWJF479こと山香さん、こんにちは。
1D2N+サンヨンISご購入、おめでとうございます。小学生サッカーをお撮りなんですよね。1D系は最初は
分かりにくいかもしれませんが、使い込むうちにその良さが実感できると思いますよ。ぜひ良い写真を残して
あげてください。と言っても、ブログを拝見すると、既に生き生きとした表情の選手をお撮りになっているよう
ですから、私などが口出しする必要はないかもしれませんが。

by ジュニアユース (2010-12-13 21:02) 

アプロ

人間ではないですがスポーツドッグを撮っています。
確かに引いた写真も必要ですが手足が切れてもかまわない。
でも顔が切れたらダメよって写真は迫力があります。
我々の写真は被写体が小さいので難しいのですが。
by アプロ (2010-12-13 22:07) 

ジュニアユース

アプロさん、こんにちは。
確かに、顔が写っていないと何だか分からない画になってしまいがちですね。果敢に撮っても、ボツになる写真は、
そんな画です、私の場合は。それでも挑戦しています。被写体が人間なので、動きで表現する部分もあるのでは、
なんてね。もっとも、もっと小さい被写体の場合は、なかなかそうはいかないでしょうね。

by ジュニアユース (2010-12-14 18:48)