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GSX-R 600 (L3) その4 [車・バイク]

先日ラーメン店に行って会計の時に(SSでラーメン食べに行くな、と言われそうですが)、レジの若いお兄さんが、「GSX-R600に乗っている方ですか? カッコイイっすね~」と言われてしまいました。店裏に停めたバイクの音に反応したのでしょうか、その時の少なくない客から私を見つけるとは、ちょっと気恥しい。CB400に乗っているというそのお兄さんと暫し会話して店を出ましたが、私がカッコイイと思って選んだバイクをカッコイイと言ってくれるとは(お世辞だとしても)、コレを選んでちょっと嬉しかった瞬間でした。

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さて、話は戻って。
購入したバイク店へは愚息2号の運転する車で取りに行きました。簡単な諸手続きの後、「ちょっと回転上げて発進すると、いきなり飛び出すから注意してください。アイドリングでも十分発進できますから」と店長に言われました。600ccだものネ、と納得して、カッコ良く店を後にするはずが、いきなりエンスト(恥ずかしい)。「アイドリングで発進できるなんて嘘だ!」とヘルメットの中で叫んでしまいましたよ(コケなくて良かった)。このGSX-R600の極低速トルクは乏しいので、発進の際の半クラッチは注意を要する、という事は後にも身に染みて分かりました。その後まずはガソリンスタンドで給油(もちろんハイオク)、そして自宅に戻って記念撮影です。
で、「じゃあ、行こうか」と愚息2号。ええっ、いきなりツーリング? 「いや~、お父さんとこうして2台で走れる日が来るなんて・・・」と感慨深そうに言うではありませんか。愚息2号は、私が大型二輪免許を取るのに苦労していたのを間近で見たせいかもしれません。そう言われれば、行くでしょう! 天気は快晴、この日の為に新調したSHOEIのヘルメットを被って出発です、とりあえず山へ。
まだ真夏の暑さではなかった日で良かったですが、高熱量を発散するエンジンを足元に抱いている感じが伝わってきます。愚息のNinja 400に比べれば20kg重いだけですが、そんな車重差よりも重心高がグッと低い感じがします。後送する愚息は、「排気音と排気圧が凄い」と言います。ノーマルマフラー(チタン製)なのですが、確かに低回転域でも威圧するような音を廻りに響かせ、内に秘めたパワーを感じさせます。ちょっと住宅街の深夜にエンジンをかけるのは躊躇しそうなぐらいです。走り始めた街中では、クラッチのミートポイントを探りながらの走行でしたが、高回転高出力エンジンの常で低速トルクは薄いですが、それでもそれを意識して半クラッチを丁寧に使えば、街中走行も無難にこなせます。それに比べれば、愚息のNinja 400はずっと軽やかな感じで、スイスイ走ります。ただ渋滞の中、自動車の後ろについてのノロノロでは、直ぐに水温が100度を超えます(水温計はデジタル表示)。そうなると電動ファンが回り始めるのですが、太もも辺りが熱風を浴びます。アルミフレームもすごく熱くなりますから、こりゃあ酷暑の夏に乗るには厳しいかな、短パンで乗るなんて絶対無理(そんなことしませんが)、と思ってしまいました。それでも街中を抜けて郊外に出れば、すぐに水温は85度前後に安定します。そんな郊外路を順調に走っていると、今度は足回りの硬さを感じます。路面状況を子細に伝えてくれる、と言えば聞こえは良いですが、小さな段差も正直にライダに伝わります。前後とも調整可能なサスペンションは、(中古ですので)どのようなセッティングになっているか分からず、帰ったらネットで調べて再調整すべきかな、と思いました(後に、タイヤの空気圧が高過ぎたことが判明)。
そんなことを感じながら、峠に到着。待ってました!とばかりに、アクセルをグイっと捻れば、瞬時に排気音が変わり、強烈な加速Gが襲いかかります。この点はキャブレターからインジェクションに変わった事を感じさせる点で、まさにグワ~ッという太いトルク感が感じさせながら回転数と速度を間髪入れずに上げていきます。コーナーを抜けての直線では、恐ろしいほどの加速。そして、このパワーに対してコンパクトで軽量な車体、深いバンク角、低い重心高で、シャープな切り替えしでコーナーを抜けるのは、まさに快感! しかしまず最初に音を上げたのは、私の眼。30数年ぶりの峠で、このパワーと速度で、私の眼が追い付かない(涙)。バンクさせるタイミングが少しでも遅れれば、対向車線にはみ出しそうになります。それは恐怖ですが、7000rpm以上で怒涛の快音を響かせるこのエンジンは、15500prmがレブリミット。結局、その日の峠では2速ホールドで5000~9000rpmを使うのが精一杯の私でした。
そんな峠を降りて郊外路に出れば、次に私の手首が音を上げました。初走行で、この強い前傾姿勢で、両手に荷重と無用な力が掛かっていたのでしょう。手首が痺れてきて、右手も左手も指先が感覚を無くしてきました。これは危ないと思い、後送する愚息に合図を送り、コンビニで休憩です。バイクを下りれば、ステップを踏ん張っていた足にも疲れが感じられます。たかが一時間ほど走っただけなのに、コイツを走らせるには相応の技術と体力が必要なことが、否応なく感じさせられました。休憩してリフレッシュしたはずが、その後は首と肩がダメ。前傾姿勢を続けると、頭を上げて上目使いでの走行を余儀なくされます。そうなると、首と肩に疲労が蓄積されていきます。信号待ちで何とか少し回復するのですが、そんな走行を続けていると、早く信号で止まらないかな、と思ってしまう始末。このキツイポジションに慣れないといけないのか、体を強化しないといけないのか、何か楽できる工夫があるのか、などと考えながら、帰路に就きました。愚息のNinja 400はその点では実に軽やかに楽そうに走行していて、うらやましく感じられました。家まではまた峠越えですが、今度はツーリング気分で無難に走行。今日最後の休憩は頂上付近の駐車場で、と思って停車したら、足が着かない! その駐車場は斜面になっていたのです。右足が着いた時点でバイクは傾き、それを支える力が足に既に無く、そのまま右へ転倒。初走行で初の立コケです(泣)。もちろん、カウルに傷(割れなくてよかった)。傷心のまま家路を急いだのですが、手首、指、首、肩、全てがもう限界。最後はクラッチを切って変速するのも億劫になるくらいで、何とか無事に家にたどり着いたのでした。
初日の走行距離は220kmちょっと。燃料計が無いのはこのバイクの欠点の一つだと思うのですが、燃料警告ランプが点いたところを考えると、燃費はリッター当たり15~20km位でしょう。帰宅してもピンピンしている愚息に比べれば、疲労困憊の私は、やっぱり歳なのかな、このバイクを選んで正解だったのか、ちょっと考えさせられる初日の走行でした。

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kin_gyo

ジュニアユースさんこんばんは。
息子さんとツーリングそれも峠なんて!!うらやましい。
この攻撃的ポジションでは、全身に負担が掛かるのは仕方ないですね。
でもすぐに慣れて、楽しく峠遊びが出来るんじゃないかなと思います。
Ninja 400もかっこいい。
ハンドル換えてバックステップにしたら同じようなポジションになりそうですね。

by kin_gyo (2020-10-20 19:10) 

ジュニアユース

kin_gyoさん、こんにちは。
愚息はどう思っているか分かりませんが、愚息とのツーリングができることが、何よりのリターンライダーになった楽しみです。
既に4回ほど行きましたが、私も「こんな日が来るとは・・・」と思いましたよ。
ただし見た目はともかく、GSX-R600はNinja-400とはかなり違いますねぇ。
その辺りのことは、またじっくり書かせていただきます。

by ジュニアユース (2020-10-22 22:40)