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第101回全国高校サッカー選手権大会 県大会決勝 [写真・撮影]

このブログで長々とミラーレス機について書いてきましたが、その間もサッカー撮影を続けておりました。というか、この時期は各年代共に主要な大会が目白押しで、もう毎週末撮影で超多忙でした(毎年のことですが)。その中でも最も注目度が高いのが、高校サッカー選手権。今年で101回目になりますが、先週末に我が県の決勝戦が行われました。

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今年は、いわゆる常連校のいくつかが都道府県予選で敗退しているとの情報が流れていますが、我が県の決勝戦もなかなかフレッシュな組み合わせとなりました。勝てば全国大会出場となれば、高校生と言えども緊張します。そして勝てば(たとえ地方予選と言えど)、選手たちにとってこれまでのサッカー人生最大の喜びとなることでしょう。その重要な試合を2008年からずっと撮り続けています。

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今年も某サッカー雑誌のカメラマン兼務ですから、ただ試合中のプレイ写真だけを撮るのと違い、試合終了後にもいろいろ作業や撮影があって、一日1試合というのは楽なようで、結構疲れる決勝日なのです(これも毎度のことですが)。今年の天候は快晴で微風。寒いのも雨天もイヤですが、快晴というのも、常に日の射す方向を意識しながらの撮影となります。どちらか一方のチームだけを撮っていれば良いのなら、記事に載せる数枚の写真を撮れば良いのなら、楽かもしれませんが、そうはいかないのも毎度のことです。

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なお、この重要な決勝を撮るに当たっては、信頼できる1DX2+EFヨンニッパⅢを使いました(決勝以外ではR3も使いました)。R3では、まだ下のような画を撮る自信がなかったからです。

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試合とは、勝者と敗者を決めることですから、時に残酷だと思うことがあります。それでも、サッカーというスポーツに純粋に打ち込んできた青年たちを間近で見続けていると、キラキラ輝く彼らの想いを感じて撮ることの楽しさを感じたりします。そしてそれを毎年続けられることは、きっとカメラマン冥利なのでしょうね。

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(諸般の事情で、今回はこんな画しか載せられませんでした、スミマセン)

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R3&R7の初期感想まとめ(後編) [カメラ機材]

今回手にしたR3とR7についての最後に、メーカーであるキヤノンとの質疑結果について書き残しておこうと思います。

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このR3とR7については取説が同封していなくて、キヤノンのホームページからPDFをダウンロードする形になっていることは以前書きました。その取説を見ながら設定をして実写してきたのですが、それでも疑問点が湧いてきたので、メーカーであるキヤノンお客様相談センターに直に聞いてみました(メールにて)。その内容を以下に記しておきます。

Q:ホームページ上のR7の紹介に、「横91×縦65の最大5915ポジションのAFフレーム選択可能ポジションから、任意の位置を指定できるため、きめ細かいピッチで滑らかに測距点が移動可能。被写体をピンポイントに測距しやすくなるため、狙い通りにピントが合わせられます。」とあります。1点AFにしても、とても5915ものポジションを任意に指定出来る大きさのフレームとは思えませんが?
A:AFフレーム選択可能な横91×縦65の最大5915ポジションは、1点AFフレームを前後左右に移動できる位置が5915通りあるということです。(選択できるAFフレームの位置は、重なり合っています。)
Q:被写体追尾(トラッキング)をONにして(検出する被写体を人物にして)撮影すると、撮影した画像を後でDPPにてAFフレームを表示させて確認すれば、1点指定のAFフレームよりももっと小さなフレームが使われていることが分かります。私が使いたいのは、この大きさのAFフレームなのですが、これは被写体追尾(トラッキング)をONにして、自動追尾しないとできない、ということなのでしょうか?
A:被写体追尾(トラッキング)の機能は、全てのAFエリア(1点AF、ゾーンAF他)でトラッキング可能です。トラッキング「する」の場合は、どのAFエリア設定にしても、最初にピントを合わせた後は、AF枠が被写体の動きにあわせて、AF枠の大きさが変化しながら、画面全域で追尾が行われます。
Q:ミラーレス機の場合、受像画像をEVFで見ながらシャッターを切るので、機構上はピントのズレは発生しないと思うのですが、そうでしょうか?
A:ご推察の通り、EOS R3は“デュアルピクセルCMOS AF II”を採用しており、撮像素子がAFと撮影機能を兼ねているため、構造上はEOS-1D X Mark IIなどの光学ファインダー搭載カメラのような、ピントのズレは発生いたしません。
Q:R3のメニューにレリーズタイムラグの最速化という項目があります。これを「する」にした場合、レリーズタイムラグが安定しない旨の記述が有りますが、安定しないとは、このタイムラグが「しない」よりも遅くなる、つまりラグが大きくなる、ということがあるのでしょうか?
A:初期設定では、メニューのレリーズタイムラグ最適化の項目が「しない」に設定されており、レリーズタイムラグを安定化する制御を行っております。なお、レリーズタイムラグ最適化を「する」に設定した場合は、安定化する制御を行わずに撮影するため、レリーズタイムラグをさらに短くすることができる機能でございます。
Q:R7には「レリーズタイムラグの最速化」という機能が無いようです。R7のレリーズタイムラグはどのくらいなのでしょうか? 私の使っている1DX Mark2は50ms程だと聞いたことがありますが。
A:レリーズタイムラグは以下のとおりです。
1DX MarkⅡ       約55ms(0.055秒)
1DX MarkⅡ(最速化)  約36ms(0.036秒)
R7      メカシャッター使用時 約99ms(0.099秒)  電子先幕・電子シャッター使用時 約50ms (0.05秒)
R3      メカシャッター使用時 約76ms(0.076秒)  電子先幕・電子シャッター使用時 約50ms (0.05秒)
R3(最速化) メカシャッター使用時 約76ms(0.076秒)  電子先幕シャッター使用時 約36ms (0.036秒)
                             電子シャッター使用時 約20ms(0.020秒)
なお、[フリッカーレス撮影]を[する]設定時は、レリーズタイムラグが長くなります。また、暗所での撮影など、撮影条件によってはさらにレリーズタイムラグが長くなる場合があります。

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Q:R3の高速連続撮影+は最高約12コマ/秒(メカシャッター・電子先幕)となっており、R7の約15コマ/秒より遅いです。画素数が1.5倍以上あって1枚当たりの大きさも大きいR7の方が連写速度が速い理由は何でしょうか?
A:EOS R7につきましては、CMOSセンサーの小型化に伴いシャッター幕も小型・軽量化され、さらに駆動制御の最適化が行われております。よって、メカシャッター、電子先幕使用時の最高約15コマ/秒の高速連続撮影を実現しております。
Q:EOS iTR AF Xを使ってトラッキングさせて被写体を追う場合、最初に選んだAFエリアの選択ですが、スポット1点にしろ、1点AFにしろ、領域拡大を設定しても、どれを選んでもEOS iTR AF Xで「人物」を選ぶと、それを追いかけます。ゾーンを設定しても、ゾーン以外のところにも追いかけます。ということは、EOS iTR AF Xでトラッキングする場合、このAFの設定は関係ない、何でもよい、ということなのでしょうか? それとも何かしらの作用がEOS iTR AF Xに影響するのでしょうか?
A:ご確認いただいております通り、トラッキングONの場合は、スポット1点AFや1点AF、領域拡大AFに設定しても、設定したAFフレームの周囲近くに被写体を検出すると、追尾フレーム(カッコ)が表示されて、アクティブ状態(白色)になると、それにピントを合わせ追いかけます。設定しているAFフレームから大きく外れている位置の被写体を検出したとしても、追尾フレームはアクティブになりません。
Q:EOS iTR AF Xで追尾された被写体が撮影者の狙う選手ではない場合、再度指定させ直す必要が有ります。その場合、上記の件で、もし最初の設定がどれでも良いのなら、ゾーンなどを選んでいると難しいかと思います。AFフレームの小さいスポット1点の方が再指定しやすいと思うのですが、どうでしょうか?
A:ある程度、構図の中で被写体がこの位置にくるであろう、というアタリがつけれるような撮影であれば、AFフレームの小さいスポット点や1点AFのほうが良いと思われます。構図内を縦横無尽に動き回るような被写体の場合ですと、追尾フレームが被写体を捉えやすいよう、範囲が広いAFフレームのほうがよろしいと存じます。
Q:サーボAFの設定で、Caseが4つとAという5つが用意されています。EOS iTR AF Xでトラッキングで被写体を追う場合、このCaseの選択が何か影響するのでしょうか? Caseを変えると、トラッキングの性能・性格などが変わるのでしょうか? いづれも、静止画撮影でサーボAFで撮る場合のことです。
A:Case1~Case5の各ケースについては「被写体追従特性」、「速度変化に対する追従性」の組み合わせを5種類に分けてご用意しており、トラッキング性能にも影響します。Caseの設定を変更しますと、測距中に障害物がAFフレームを横切った場合や、AFフレームが被写体から外れたときの追従性、そのほか被写体が急に動き出したり止まったりなど、速さが瞬時に大きく変化したときの捉え方に違いが出てきます。
Q:今まで1DX MarkⅡの2020万画素では、私のパソコンでは、1枚のRAWを変換するのに6秒ほどでした。R3の2400万画素のRAWをJPEGに変換するのに16秒ほどかかります。画素数が2割程増えていますので、変換時間も増えるのは当然でしょうが、倍以上の時間がかかるものでしょうか?
A:EOS R3のRAWはCR3で、他にご利用の機種とは異なる形式です。各機種ごとにRAWに付加される情報は完全に同じではなく、またRAWに対する編集内容も影響するので、変換に要する時間は必ずしも画素数やファイル容量に比例しない場合がございます。

以上が私がメーカーとメールにて行った質疑応答の内容です。特に隠す必要もないと思いましたので、ここに記しておきます。何かの役に立つようであれば幸いです。

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R3&R7の初期感想まとめ(中編) [カメラ機材]

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前回、「EOS iTR AF X」のトラッキング性能が常に100%満足のいくものではない(私自身の不慣れが原因の場合も有ります)と書き、その失敗例も載せました。再度、もう一例挙げます。過去例のとおり、DPPのキャプチャー画(ノートリミング)で、右側が分かりやすくAFフレームを塗った画ですが、今度は6連写です。

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上記の画もR3+EF200-400 F4 L IS USMで高速連写+(12コマ/秒)撮りました。同様にEOS iTR AF Xのトラッキング性能を使って撮ったのですが(初期設定は中央1点指定)、R3は赤ユニフォームの選手を追尾したようですが、まず1枚目・2枚目はピンが来ていません。3枚目にAFフレームを移動させてピンが来ましたが、4枚目には僅かに外しています。右側の青ユニフォームの選手が影響したのでしょうか。しかし、5枚目には再度ピンを赤ユニフォームの選手に来ていますし、6枚目にはAFフレームも移動させていますから、カメラは赤ユニフォームの選手を追尾することに決めたようです。
これまで挙げた失敗例のように、EOS iTR AF Xのトラッキングを使う場合、まず最初に狙う被写体が撮影者の意思と合致していることを確認し、ピンが来ていることを確認してから連写しないと、思わぬ所にピンが来たり、ピンボケ写真の量産に繋がったりします。そのための「間」を取るために予測することが必要なのはサッカー撮影の基本であります。しかしこのトラッキングを使うということは、カメラが指定するポイントと撮影者が狙う選手を合致させる(それを確認する)手間が増えたようで、この「間」の長さは短くはない、つまり1DX2より長く必要な気がしています。しかもそれを、OVFではなくEVFで行わねばなりません。これを総合的な「AFの速さ」というなら、早さの面で未だプロ用レフ機には追い付いていない、と言えるかもしれませんが、これら失敗例は、まだ私自身がEOS iTR AF Xの使いこなしが未熟である点が原因だとすれば、現時点での断言は避けることにします。ただこれは、私がサッカー撮影をして、でのことで、動体撮影といえど、飛行機や鳥、他のスポーツを撮る場合はまた違ってくるかもしれません。サッカーでは、ファインダー内に動く選手が複数入り込むことが多いですし、選手と選手が重なり合うことも多いからです。現状の私ではどうもリズミカルに撮れないのが現時点での感想です。きっともっと慣れれば、もっと歩留まり良く、もっと楽に撮れるようになるのでしょうか。
しかし、ファインダー内のかなり端まで追尾してくれる様を見ると、新しいオートフォーカスとはこういうもの、と提示された感が有ります。以下に例を挙げます。

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上の2枚の画は連写中の1枚ですから、狙う被写体は左右に動いています。私のレフ機である1DX2の中央1点のAFフレーム指定では、たとえ領域拡大を使っていたとしても、これでは狙う選手にピンは来ていなかったと思われます。R3のトラッキングによって追従させた結果、得られた画だと思っています。
もう2例挙げます。

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上の2枚は、R7+EF300mm F2.8 L IS USMで撮ったものです。これも1DX2の中央1点指定では、たぶん背景にピンが抜けてしまい、狙う選手にはピンが来ていなかったと推測します。
これらの例を見てみると、AFフレームが中央1点指定だとどうしても被写体を中央で捉えて、動きに合わせてレンズを振らなければなりません。しかしEOS iTR AF Xのトラッキング性能で追えば、シビアに被写体を中央に捉え続けなくても、カメラ側で追従しますし、上記のように被写体を端に置いた構図を撮ることもできます。しかしその為には既述のように、最初にしっかり撮影者が狙う被写体をカメラ側につかまえさせる必要が有ります。
先日、私の1DX MarkⅡ(1DX2)を使ってサッカーを撮ってきました。そうすると、EVFではなくOVFの優位性を感じると共に、EOS iTR AF Xの有無の差を感じざるをえません。狙う選手がファインダー内に有れば、少々雑にレンズを振って追いかけても追従してくれるEOS iTR AF Xに比べ、1DX2は選手の動きを予測しながら1点指定のAFフレームで狙う選手を追いかける集中力が必須となります。外せばピンボケになります。前者の方が容易で、後者の方が難易度が高い、と思われるかもしれませんが、個人的には後者の方が「撮った」感が有って楽しかったのが正直なところ。まだ慣れていない故のことだと思われますが、1DX2が完全に写真を撮る道具であるなら、このEOS iTR AF Xを使うということが、どこかカメラと撮影者の間に介在する何かを感じられるのです。例えとして正しいかどうか分かりませんが、カメラ+レンズに一脚を装着するのに、間に自由雲台を挟むか、直に付けるか、の違いのような感じに受けとれました。前者は慣れれば、工夫できて今まで撮れなかった構図も可能となります。それに比べて後者は、融通はきかないかもしれないがソリッドで、被写体を追うのに集中できます。それを考えれば、未だレフ機に慣れた身としては、まだ1DX2を手放す気には到底なれません(あくまでサッカー撮影でのことです)。
最後にRFレンズについて私的な意見を。

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かつて私はこのブログで「RFレンズには開放値がF6.3やF7.1のもの、更にはF11などというレンズも有るではありませんか。キヤノンのレンズメーカーとしての矜持はどこへ行った?」と書きました。ショートフランジバックを最大限利用して、EFのLレンズをも超えるRFのLレンズを出したかと思えば、一眼用としては開放F値の暗いレンズも出す、その意味が分かりませんでした。が、今回自身がミラーレス一眼を手にして思ったのは、たとえ暗くても、つまり受像センサーに届く光量が少なくても、受像できればAFが問題無く作動できる、それくらいの撮像面位相差AFをキヤノンは開発した、ということなのだと思います。この点が従来のレフ機の、ラインセンサーを組み合わせたAFユニットにサブミラーから受光を導いてAFする方式とは違う、ということなのでしょう。レフ機ではAFユニットに届く光の量・質がピント合わせの速度・精度に影響する、とメーカー開発者から聞いたことがあります。故に、レンズの開放F値が重要要素だったと思われます(ピント合わせは開放F値で行うので)。しかし受像センサーでAFを行うミラーレス機では(そのAFが優秀ならば)、たとえ開放F値の暗いレンズであっても、受像できれば、他の要素(大きさ・重さ・価格)を優先させた設計もできる、ということなのだと思いました。
今、私の目の前に1DX2、R3、R7の3台のカメラが有ります。今後も私はサッカーを撮り続けることでしょう。それにあたり、この3台をどう使い分けていくか、ちょっと思案しているところです。

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