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R3&R7の初期感想まとめ(後編) [カメラ機材]

今回手にしたR3とR7についての最後に、メーカーであるキヤノンとの質疑結果について書き残しておこうと思います。

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このR3とR7については取説が同封していなくて、キヤノンのホームページからPDFをダウンロードする形になっていることは以前書きました。その取説を見ながら設定をして実写してきたのですが、それでも疑問点が湧いてきたので、メーカーであるキヤノンお客様相談センターに直に聞いてみました(メールにて)。その内容を以下に記しておきます。

Q:ホームページ上のR7の紹介に、「横91×縦65の最大5915ポジションのAFフレーム選択可能ポジションから、任意の位置を指定できるため、きめ細かいピッチで滑らかに測距点が移動可能。被写体をピンポイントに測距しやすくなるため、狙い通りにピントが合わせられます。」とあります。1点AFにしても、とても5915ものポジションを任意に指定出来る大きさのフレームとは思えませんが?
A:AFフレーム選択可能な横91×縦65の最大5915ポジションは、1点AFフレームを前後左右に移動できる位置が5915通りあるということです。(選択できるAFフレームの位置は、重なり合っています。)
Q:被写体追尾(トラッキング)をONにして(検出する被写体を人物にして)撮影すると、撮影した画像を後でDPPにてAFフレームを表示させて確認すれば、1点指定のAFフレームよりももっと小さなフレームが使われていることが分かります。私が使いたいのは、この大きさのAFフレームなのですが、これは被写体追尾(トラッキング)をONにして、自動追尾しないとできない、ということなのでしょうか?
A:被写体追尾(トラッキング)の機能は、全てのAFエリア(1点AF、ゾーンAF他)でトラッキング可能です。トラッキング「する」の場合は、どのAFエリア設定にしても、最初にピントを合わせた後は、AF枠が被写体の動きにあわせて、AF枠の大きさが変化しながら、画面全域で追尾が行われます。
Q:ミラーレス機の場合、受像画像をEVFで見ながらシャッターを切るので、機構上はピントのズレは発生しないと思うのですが、そうでしょうか?
A:ご推察の通り、EOS R3は“デュアルピクセルCMOS AF II”を採用しており、撮像素子がAFと撮影機能を兼ねているため、構造上はEOS-1D X Mark IIなどの光学ファインダー搭載カメラのような、ピントのズレは発生いたしません。
Q:R3のメニューにレリーズタイムラグの最速化という項目があります。これを「する」にした場合、レリーズタイムラグが安定しない旨の記述が有りますが、安定しないとは、このタイムラグが「しない」よりも遅くなる、つまりラグが大きくなる、ということがあるのでしょうか?
A:初期設定では、メニューのレリーズタイムラグ最適化の項目が「しない」に設定されており、レリーズタイムラグを安定化する制御を行っております。なお、レリーズタイムラグ最適化を「する」に設定した場合は、安定化する制御を行わずに撮影するため、レリーズタイムラグをさらに短くすることができる機能でございます。
Q:R7には「レリーズタイムラグの最速化」という機能が無いようです。R7のレリーズタイムラグはどのくらいなのでしょうか? 私の使っている1DX Mark2は50ms程だと聞いたことがありますが。
A:レリーズタイムラグは以下のとおりです。
1DX MarkⅡ       約55ms(0.055秒)
1DX MarkⅡ(最速化)  約36ms(0.036秒)
R7      メカシャッター使用時 約99ms(0.099秒)  電子先幕・電子シャッター使用時 約50ms (0.05秒)
R3      メカシャッター使用時 約76ms(0.076秒)  電子先幕・電子シャッター使用時 約50ms (0.05秒)
R3(最速化) メカシャッター使用時 約76ms(0.076秒)  電子先幕シャッター使用時 約36ms (0.036秒)
                             電子シャッター使用時 約20ms(0.020秒)
なお、[フリッカーレス撮影]を[する]設定時は、レリーズタイムラグが長くなります。また、暗所での撮影など、撮影条件によってはさらにレリーズタイムラグが長くなる場合があります。

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Q:R3の高速連続撮影+は最高約12コマ/秒(メカシャッター・電子先幕)となっており、R7の約15コマ/秒より遅いです。画素数が1.5倍以上あって1枚当たりの大きさも大きいR7の方が連写速度が速い理由は何でしょうか?
A:EOS R7につきましては、CMOSセンサーの小型化に伴いシャッター幕も小型・軽量化され、さらに駆動制御の最適化が行われております。よって、メカシャッター、電子先幕使用時の最高約15コマ/秒の高速連続撮影を実現しております。
Q:EOS iTR AF Xを使ってトラッキングさせて被写体を追う場合、最初に選んだAFエリアの選択ですが、スポット1点にしろ、1点AFにしろ、領域拡大を設定しても、どれを選んでもEOS iTR AF Xで「人物」を選ぶと、それを追いかけます。ゾーンを設定しても、ゾーン以外のところにも追いかけます。ということは、EOS iTR AF Xでトラッキングする場合、このAFの設定は関係ない、何でもよい、ということなのでしょうか? それとも何かしらの作用がEOS iTR AF Xに影響するのでしょうか?
A:ご確認いただいております通り、トラッキングONの場合は、スポット1点AFや1点AF、領域拡大AFに設定しても、設定したAFフレームの周囲近くに被写体を検出すると、追尾フレーム(カッコ)が表示されて、アクティブ状態(白色)になると、それにピントを合わせ追いかけます。設定しているAFフレームから大きく外れている位置の被写体を検出したとしても、追尾フレームはアクティブになりません。
Q:EOS iTR AF Xで追尾された被写体が撮影者の狙う選手ではない場合、再度指定させ直す必要が有ります。その場合、上記の件で、もし最初の設定がどれでも良いのなら、ゾーンなどを選んでいると難しいかと思います。AFフレームの小さいスポット1点の方が再指定しやすいと思うのですが、どうでしょうか?
A:ある程度、構図の中で被写体がこの位置にくるであろう、というアタリがつけれるような撮影であれば、AFフレームの小さいスポット点や1点AFのほうが良いと思われます。構図内を縦横無尽に動き回るような被写体の場合ですと、追尾フレームが被写体を捉えやすいよう、範囲が広いAFフレームのほうがよろしいと存じます。
Q:サーボAFの設定で、Caseが4つとAという5つが用意されています。EOS iTR AF Xでトラッキングで被写体を追う場合、このCaseの選択が何か影響するのでしょうか? Caseを変えると、トラッキングの性能・性格などが変わるのでしょうか? いづれも、静止画撮影でサーボAFで撮る場合のことです。
A:Case1~Case5の各ケースについては「被写体追従特性」、「速度変化に対する追従性」の組み合わせを5種類に分けてご用意しており、トラッキング性能にも影響します。Caseの設定を変更しますと、測距中に障害物がAFフレームを横切った場合や、AFフレームが被写体から外れたときの追従性、そのほか被写体が急に動き出したり止まったりなど、速さが瞬時に大きく変化したときの捉え方に違いが出てきます。
Q:今まで1DX MarkⅡの2020万画素では、私のパソコンでは、1枚のRAWを変換するのに6秒ほどでした。R3の2400万画素のRAWをJPEGに変換するのに16秒ほどかかります。画素数が2割程増えていますので、変換時間も増えるのは当然でしょうが、倍以上の時間がかかるものでしょうか?
A:EOS R3のRAWはCR3で、他にご利用の機種とは異なる形式です。各機種ごとにRAWに付加される情報は完全に同じではなく、またRAWに対する編集内容も影響するので、変換に要する時間は必ずしも画素数やファイル容量に比例しない場合がございます。

以上が私がメーカーとメールにて行った質疑応答の内容です。特に隠す必要もないと思いましたので、ここに記しておきます。何かの役に立つようであれば幸いです。

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