SSブログ

R3&R7の初期感想まとめ(中編) [カメラ機材]

R3-5-05.jpg

前回、「EOS iTR AF X」のトラッキング性能が常に100%満足のいくものではない(私自身の不慣れが原因の場合も有ります)と書き、その失敗例も載せました。再度、もう一例挙げます。過去例のとおり、DPPのキャプチャー画(ノートリミング)で、右側が分かりやすくAFフレームを塗った画ですが、今度は6連写です。

R3-5-01.jpg

R3-5-02.jpg

上記の画もR3+EF200-400 F4 L IS USMで高速連写+(12コマ/秒)撮りました。同様にEOS iTR AF Xのトラッキング性能を使って撮ったのですが(初期設定は中央1点指定)、R3は赤ユニフォームの選手を追尾したようですが、まず1枚目・2枚目はピンが来ていません。3枚目にAFフレームを移動させてピンが来ましたが、4枚目には僅かに外しています。右側の青ユニフォームの選手が影響したのでしょうか。しかし、5枚目には再度ピンを赤ユニフォームの選手に来ていますし、6枚目にはAFフレームも移動させていますから、カメラは赤ユニフォームの選手を追尾することに決めたようです。
これまで挙げた失敗例のように、EOS iTR AF Xのトラッキングを使う場合、まず最初に狙う被写体が撮影者の意思と合致していることを確認し、ピンが来ていることを確認してから連写しないと、思わぬ所にピンが来たり、ピンボケ写真の量産に繋がったりします。そのための「間」を取るために予測することが必要なのはサッカー撮影の基本であります。しかしこのトラッキングを使うということは、カメラが指定するポイントと撮影者が狙う選手を合致させる(それを確認する)手間が増えたようで、この「間」の長さは短くはない、つまり1DX2より長く必要な気がしています。しかもそれを、OVFではなくEVFで行わねばなりません。これを総合的な「AFの速さ」というなら、早さの面で未だプロ用レフ機には追い付いていない、と言えるかもしれませんが、これら失敗例は、まだ私自身がEOS iTR AF Xの使いこなしが未熟である点が原因だとすれば、現時点での断言は避けることにします。ただこれは、私がサッカー撮影をして、でのことで、動体撮影といえど、飛行機や鳥、他のスポーツを撮る場合はまた違ってくるかもしれません。サッカーでは、ファインダー内に動く選手が複数入り込むことが多いですし、選手と選手が重なり合うことも多いからです。現状の私ではどうもリズミカルに撮れないのが現時点での感想です。きっともっと慣れれば、もっと歩留まり良く、もっと楽に撮れるようになるのでしょうか。
しかし、ファインダー内のかなり端まで追尾してくれる様を見ると、新しいオートフォーカスとはこういうもの、と提示された感が有ります。以下に例を挙げます。

R3-5-04.jpg

上の2枚の画は連写中の1枚ですから、狙う被写体は左右に動いています。私のレフ機である1DX2の中央1点のAFフレーム指定では、たとえ領域拡大を使っていたとしても、これでは狙う選手にピンは来ていなかったと思われます。R3のトラッキングによって追従させた結果、得られた画だと思っています。
もう2例挙げます。

R3-5-03.jpg

上の2枚は、R7+EF300mm F2.8 L IS USMで撮ったものです。これも1DX2の中央1点指定では、たぶん背景にピンが抜けてしまい、狙う選手にはピンが来ていなかったと推測します。
これらの例を見てみると、AFフレームが中央1点指定だとどうしても被写体を中央で捉えて、動きに合わせてレンズを振らなければなりません。しかしEOS iTR AF Xのトラッキング性能で追えば、シビアに被写体を中央に捉え続けなくても、カメラ側で追従しますし、上記のように被写体を端に置いた構図を撮ることもできます。しかしその為には既述のように、最初にしっかり撮影者が狙う被写体をカメラ側につかまえさせる必要が有ります。
先日、私の1DX MarkⅡ(1DX2)を使ってサッカーを撮ってきました。そうすると、EVFではなくOVFの優位性を感じると共に、EOS iTR AF Xの有無の差を感じざるをえません。狙う選手がファインダー内に有れば、少々雑にレンズを振って追いかけても追従してくれるEOS iTR AF Xに比べ、1DX2は選手の動きを予測しながら1点指定のAFフレームで狙う選手を追いかける集中力が必須となります。外せばピンボケになります。前者の方が容易で、後者の方が難易度が高い、と思われるかもしれませんが、個人的には後者の方が「撮った」感が有って楽しかったのが正直なところ。まだ慣れていない故のことだと思われますが、1DX2が完全に写真を撮る道具であるなら、このEOS iTR AF Xを使うということが、どこかカメラと撮影者の間に介在する何かを感じられるのです。例えとして正しいかどうか分かりませんが、カメラ+レンズに一脚を装着するのに、間に自由雲台を挟むか、直に付けるか、の違いのような感じに受けとれました。前者は慣れれば、工夫できて今まで撮れなかった構図も可能となります。それに比べて後者は、融通はきかないかもしれないがソリッドで、被写体を追うのに集中できます。それを考えれば、未だレフ機に慣れた身としては、まだ1DX2を手放す気には到底なれません(あくまでサッカー撮影でのことです)。
最後にRFレンズについて私的な意見を。

R3-5-06.jpg

かつて私はこのブログで「RFレンズには開放値がF6.3やF7.1のもの、更にはF11などというレンズも有るではありませんか。キヤノンのレンズメーカーとしての矜持はどこへ行った?」と書きました。ショートフランジバックを最大限利用して、EFのLレンズをも超えるRFのLレンズを出したかと思えば、一眼用としては開放F値の暗いレンズも出す、その意味が分かりませんでした。が、今回自身がミラーレス一眼を手にして思ったのは、たとえ暗くても、つまり受像センサーに届く光量が少なくても、受像できればAFが問題無く作動できる、それくらいの撮像面位相差AFをキヤノンは開発した、ということなのだと思います。この点が従来のレフ機の、ラインセンサーを組み合わせたAFユニットにサブミラーから受光を導いてAFする方式とは違う、ということなのでしょう。レフ機ではAFユニットに届く光の量・質がピント合わせの速度・精度に影響する、とメーカー開発者から聞いたことがあります。故に、レンズの開放F値が重要要素だったと思われます(ピント合わせは開放F値で行うので)。しかし受像センサーでAFを行うミラーレス機では(そのAFが優秀ならば)、たとえ開放F値の暗いレンズであっても、受像できれば、他の要素(大きさ・重さ・価格)を優先させた設計もできる、ということなのだと思いました。
今、私の目の前に1DX2、R3、R7の3台のカメラが有ります。今後も私はサッカーを撮り続けることでしょう。それにあたり、この3台をどう使い分けていくか、ちょっと思案しているところです。

nice!(0)  コメント(4) 
共通テーマ:趣味・カルチャー