立山黒部アルペンルート

さて翌日曜日は、立山黒部アルペンルートです。私達は下図の右から左へ進んで行きます。

しかし、天気予報では雨。しかも山岳地です。朝7時30分に白馬のホテルを出る頃には曇天でしたが、いつ雨が降ってもおかしくない空模様。何とか昼過ぎまではもって欲しい、と願いながら朝7時30分にホテルを出たバスは、このアルペンルートの入り口である扇沢駅へ到着。

扇沢駅からは、環境に配慮したという電気バスに乗って、長いトンネルを抜けて、念願の黒部ダムに到着。

「展望台までは約220段の階段」との表示に、一瞬足が止まりました。でも「ここまで来たら、行くしかない！」と息を切らしながら登ります（歳を感じますねぇ）。

いや～、幾多の先人達が築き上げた巨大なダムと放流している様を間近で見ることができました（遊覧船は運休でした）。ホント、これが見たかった！

黒部ダムからは、黒部ケーブルカーで黒部平へ。

そこから、支柱が1本も無い立山ロープウェイに乗り換えて大觀峰に到着。眼下に黒部ダムによって作られた黒部湖が見られます。しかし、ここは既に標高2316ｍで、寒い。外には既にうっすら雪が積もった山々が見れました。

大觀峰から、今度はトロリーバスに乗って長いトンネルを走って室堂へ。着けば雨。しかも標高2450ｍですから相応の寒風も吹いていて、視界も悪く、寒くて建物の外に出られませんでした。このアルペンルートの標高差を考えれば、この気温差は当然のことで、きちんとそれ用の衣服を用意してこなかった事を後悔する羽目になってしまいました。「ああ、昨日のように晴れていたら、もう少しマシだったかも」というのは愚痴です。

室堂で昼食を食べて、立山高原バスで約50分かけて美女平駅（標高977ｍ）まで降りてきたのですが、バスの中は暖房が効いていて、しかも車窓は霧で真っ白なので、（満腹なこともあって）コックリコックリと居眠りしてしまいました。
美女平からは、最大傾斜度27度という立山ケーブルカーに乗って標高475ｍの立山駅まで降ります。これで、6つの乗り物を乗り継いで、立山黒部アルペンルート完遂です。欲を言えば、もう一日早ければ天候が良かったのに、とも思いましたが、それは私の普段の行いのせいでしょうね。

その後、扇沢駅から迂回して来たバスに再乗車して、またJR高山駅に行き、「特急ひだ」でJR名古屋駅に到着したのは21時過ぎでした。
「旅は、旅行は、普段の生活から外れて、非日常を体験すること」と聞いたことがあります。その意味では、初冬の寒さを我が身で感じられた今回の旅行は、ちょっと駆け足の一泊二日でしたが、きっと後々まで記憶に残るものになると思いました。

（今回の旅行も北海道の時と同じ、Kiss X9+EF-S24mm F2.8で撮りましたので、画角が同じでスミマセン。広角ズーム付きのもっと小型のカメラが欲しくなってきました）

黒部峡谷トロッコ電車

今回の旅行の始まりは、JR名古屋駅。新装された「特急ひだ」で、まず岐阜県の高山へ向かいます。

家族旅行といっても、今回は私たち夫婦と愚息2号の3人です。国が始めた「全国旅行支援」に乗っかって、急に決定した旅行で、今回は旅行会社の企画ツアーに参加です。
天候は快晴。高山からはバスで黒部峡谷へ向かいますが、一旦富山県に出てから行ったのでちょっと時間がかかりました。黒部峡谷鉄道の始発駅「宇奈月駅」に到着したのが13時30分頃。そしてあいにく土曜日だったこともあって、乗客（観光客）が多く、この「トロッコ電車」に乗るのに約1時間待ちでした。

（下の写真は、駅前にある模型のオブジェです）

待ち時間の間に付近を散策すれば、この辺りはすっかり紅葉で山々が染まっています。こうして仕事と撮影に追われた日常からちょっと目を逸らすと、季節がしっかり冬に向かっているのを感じます。

さて、いよいよトロッコ電車に乗車です。紅葉の中を峡谷奥に進んでいきますが、時間的に日が傾き、オープン車両のため寒くなってきました。

このトロッコ電車は、今では珍しいナローゲイジで、今は観光用になっていますが、本来は水力発電建設用の資材等の搬出入のために作られたそうです。でも、この山深い峡谷の奥に進むには、徒歩以外にはコレしか交通手段がありません。奥へ進むほどに、険しい山深さを感じます。

私達は鐘釣駅で下車して、暫し散策。

宇奈月駅への帰路ですが、この日は乗客が多くて臨時便で対応していました。私達もその臨時便に乗って宇奈月駅へ戻ってきたのが、帰路は暗くて紅葉も楽しめず、オープン車両を風が吹き通るので寒くて、寒くて。宇奈月駅に着いたのが、すっかり暗くなった18時頃でした（いや～寒かった！）
その日の宿泊は長野県の白馬。そこまでバスで移動して、ホテルに着いたのが20時近く。急いで夕食をとって、温泉に浸かって、明日に備えます。

家族旅行 2022（最終日）

旭川空港を定刻に飛び立った飛行機は、ほぼ定刻の22時過ぎに羽田空港に到着しました。ただこの時間では（長男長女は帰れても）自宅に帰ることはできません。その夜は羽田空港に隣接するホテルに五人で宿泊することにしていました。それ故に、北海道を発つ便を遅くでき、3日目に時間の余裕ができ、多くの観光スポットを周ることができた訳です。

温泉が有るわけではないシティホテルですが、北海道での3日間はなかなかに過密なスケジュールだったので、朝食後もギリギリまで部屋でくつろいでチェックアウトしました。長男は、この4日目の夕方から試合（関東ソサイチリーグ）が有るので羽田空港で分れ、残った四人で、さて東京見物でも、と出かけた先が、「東京スカイツリー」。

2012年に完成ですから、出来てもう10年になるのに、私たち夫婦はまだ行ったことが無かったのです。あいにく日曜日ということで（コロナ禍でも）混み合っていましたが、曇天でも雲の高さが低くはなかったので、それなりに見れるだろう、との思惑で、エレベーターに乗りました。もちろん高さ450ｍの第二展望台まで。

眼下に広がる光景は、さすがに東京ですね。展望台を一周して見回しても、東京以外の何物でもない光景です。青春時代をココで過ごし、地方都市で家庭を築き、北海道の大自然を旅し、いま眼下に最新の大都会を見ている。もし田舎に帰らずに今もココで生きていたら・・・、などと不粋なことを考えてしまいました。

懐かしいものを見つけました。記念メダルです。昔はどこの観光地にでもあったように記憶しています。選んだメダルに好きな文字（数字とアルファベット）を機械で打ち込むことができます。思わず買ってしまいましたよ。

降りてからは併設する「東京スカイツリータウン」で昼食をとってブラブラ。そしてそこで長女と別れ、次男と私たち夫婦は夕方の新幹線で家路につきました。

時の経つのは早いもので、この旅行から既に二週間が過ぎました。私達夫婦も子供達も、またいつもの日常に戻っています。旅行は、旅は、日常から抜け出して非日常を楽しむもの。そういった意味で振り合えれば、私としては十分楽しめた今回の家族旅行でした。ただちょっと日程的にハードだった事は否めません。本来はこの家族旅行、一年に一度ぐらいは家族全員が顔を合わせて、ちょっとリッチなホテルでのんびり語らいを楽しむ、というのが主目的だったはずです。その点では、主に私の要望で家族を振り回してしまったことは謝罪に値するかもしれません。ただ（言い訳になりますが）、それは北海道が見どころが多い証でもあり、やっぱり素晴らしい所でした。その地を我が家族五人揃って周れたことは、たぶん大切な思い出になると信じています。次回はどうなるのか、いつまで五人で行けるのか、今は分かりません。ただ今回の旅行でも、五人の家族の絆をしっかり感じられたことが、何よりも嬉しい土産でした。