SSブログ

サッカー撮影130(機材の更新 後編) [サッカー撮影]

前回の続き、私の経験談です。

サッカー130-01.jpg

これももう随分前の話です。サンニッパ(EF300 F2.8 L IS無しのⅢ型)+純正1.4x(換算420mm)で撮り続けていたが、こうなるとヨンニッパに目が行ってしまう。400mmでF2.8の描写力はどうだろう、テレコンを使わないのだから歩留まりはさらに上がるのではないか、と。そこでネット上を徘徊していると、中古の旧型ヨンニッパ(EF400mm F2.8 L IS無しのⅡ型)を発見してしまった。見つければ欲しくなる。サンニッパより遥かに高価なこの中古レンズに、思い切って投資してしまった。いざサッカー撮影に持ち出して見ると、全然良くない。サンニッパ+純正1.4xの方が断然描写力が良いではないか。高価な投資をして機材の更新を図ったはずが失敗なのか。やはり旧型はこんなものなのか。自宅で何度も試し撮りしたり、カメラの設定を変えたりしたのだが、不満解消に至らず。そこで当時まだ存在した大阪・梅田のキヤノンサービスセンターに相談したら、「送ってください」との返答。厳重に梱包して送り、約半月後に返ってきたヨンニッパは、見違えるような画を出すではないか。サービスセンターでどのような調整がされたのか、子細は書かれていなかったので分からないが、想像するにピントのズレと光軸のズレが有ったのではないか、と推測している。中古機材を使っての更新の場合、その中古の状態は個々で様々なのだと思い知らされる。

サッカー130-02.jpg

上の写真
1D MarkⅡ+EF400mm F2.8 L (Ⅱ型)
シャッター速度優先AE 評価測光 1/800 F4.0 ISO 100  焦点距離 400mm(換算520mm) RAW

1D MarkⅢ(1D3)が発売開始されたので直ぐ飛びついて購入。しかし、それまでと同じレンズを使って同じように撮っていても、どうにもピント精度が安定しない。歩留まりが悪い。設定が間違っているのか、と思い、取説やムック本の解説書を買ってきて読んだりしたが、どれも一般的な既述ばかりでスッキリしない。ネットで検索したら、同じように1D3のピーキーなAFに悩む記述を見かけたので少しは安堵したが、キヤノンのフラッグシップ機なのだから間違いない筈、自分側に問題があるはず、と試行錯誤。そうするうちに、メーカーからファームウェアのアップデートが告知され、その後も何度かアップデートがあり、自分か慣れてきたことも加味して、ようやく安定して撮れるようになった。

サッカー130-03.jpg

上の写真
1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS(Ⅰ型)
シャッター速度優先AE 評価測光 1/1000 F2.8 ISO 640  焦点距離 400mm(換算約520mm) RAW
下の写真
1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS(Ⅰ型)
シャッター速度優先AE 評価測光 1/1000 F3.2 ISO 400  焦点距離 400mm(換算約520mm) RAW

サッカー130-04.jpg

その他にもいろいろありますが、このあたりで止めにしておきます。随分と無駄に遠回りしたように思われるかもしれませんが、逆に機材を更新して、より良い画をより多く得られた例は数限りなく有るので、自分の歩んできた道程が決して間違っていると思っている訳ではありません。サッカーを撮り始めてから18年以上、当初の画を今更見返してみれば、「こんな画で満足していたのか、恥ずかしい」と思うこと、多々あります。それが今では人様に見てもらえる画を撮れるようになったのは、機材を順次更新したのも大きかったと思っています。先にも書きましたように、このサッカー撮影における機材性能の比重は重く、それを更新することで、知識や技量、経験を更に積み重ねることができたと思っています。そして何より、自らのモチベーションや向上心を喚起させる効果も大だと思うのです。

サッカー130-05.jpg

上の写真
1D MarkⅢ+EF400mm F2.8 L IS(Ⅰ型)
シャッター速度優先AE 評価測光 1/1000 F3.2 ISO 125  焦点距離 400mm(換算約520mm) RAW
下の写真
1D MarkⅣ+EF400mm F2.8 L IS(Ⅰ型)
絞り優先AE 評価測光 1/1000 F3.5 ISO 100  焦点距離 400mm(換算約520mm) RAW

サッカー130-10.jpg

さて、機材の更新について私見を書いてきましたが、この辺りで締めとさせていただきます。制限なく予算を費やせる立場の方を除いて、多くの一般ユーザーは、ベストと考えられる機材から妥協したものでサッカー撮影に臨まなければならないでしょう。そしてメーカーは、機能を充実させ、それに妥当な値段を付けた新製品を登場させ続けます。それは貴方の手持ち機材の陳腐化を招くかもしれません。また、撮り続けることによる知識や経験、技量の蓄積が(それに少しばかりの向上心を加えれば)、新たな機材への要望を貴方に芽生えさせるかもしれません。これら二つの流れによって、手持ち機材の更新を考えることは自然なことであり、間違ったものではなりません。機材の更新の欲望は、貴女自身の成長の証とも言えます。ただ現実的には、如何に渇望しようとも投入できる予算に限りが有る以上、万人がその望みを叶えられるとはいかないでしょう。それでもどうか、撮り続けていただきたい。継続こそが「貴方の撮る画の更新」に繋がると思うからです。

サッカー130-06.jpg

上の写真
1DX MarkⅡ+EF200-400mm F4 L IS+1.4x
絞り優先AE 評価測光 1/1000 F4.0 ISO 640  焦点距離 229mm RAW
下の写真
7D MarkⅡ+EF300mm F2.8 L IS (Ⅰ型)
絞り優先AE 評価測光 1/2500 F3.5 ISO 100  焦点距離 300mm(換算480mm) RAW

サッカー130-08.jpg




以下は余談です。
「貴方のような高価な機材を買えないから、貴方のような画は撮れない」、そう言われたことがあります。確かに「高価な機材を使わないと撮れない画」というものは存在します。しかし、機材のよって写真の優劣は決まってしまうものでしょうか。その回答は、各種フォトコンテストの結果を見れば分かります。入賞作品は必ずしも高価な機材を使ったものだけではありません。どのコンテストでもそうです。たとえ安価なエントリー機であっても、入賞作品を撮ることは可能なのです。むしろ、最高級機材を手にした者こそ、それに見合った結果を残さなければならない、というプレッシャーを感じているものです(私もそうです)。

サッカー130-09.jpg

上の写真
1DX MarkⅡ+EF400mm F2.8 L IS Ⅲ
絞り優先AE 評価測光 1/1000 F2.8 ISO 6400  焦点距離 400mm RAW
下の写真
1DX MarkⅡ+EF400mm F2.8 L IS Ⅲ+EF1.4x Ⅲ
絞り優先AE 評価測光 1/1250 F4.5 ISO 125  焦点距離 560mm RAW

サッカー130-07.jpg


nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 2

コメント 0

コメントの受付は締め切りました