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「空母いぶき」 [本・映画・アニメ・詩歌]

以前に、かわぐちかいじ氏の「沈黙の艦隊」という漫画をご紹介しましたが、今回は同氏の「空母いぶき」です。ビッグコミック誌にて2014年24号から2019年24号まで連載されて完結し、現在はその続編として新シリーズ「空母いぶき GREAT GAME」が、同誌にて2020年1号から連載中です。

空母いぶき.jpg

海洋進出著しい中国(ここではハッキリと相手国は中国と記されています)に危機感をおぼえた日本政府が、新型護衛艦の就役と、その艦船を旗艦にした新護衛隊群の創設を決定します。その新型護衛艦が、日本初のスキージャンプ式飛行甲板を採用した空母「いぶき」。その矢先、中国軍が尖閣諸島・先島諸島を武力制圧する事件が勃発します。島民を人質に取られ、自衛隊員に戦死者を出したことに加え、外交努力だけでは奪還できないと判断した日本政府は、海上警備行動に続き史上初の自衛隊への「防衛出動」を発動。空母「いぶき」を中心とした護衛艦隊群が、中国人民解放軍北海艦隊の新型空母「広東」らと対峙することになり、日本領土奪還作戦が開始される。
まあ、あらすじとしてはこんな感じですが、「沈黙の艦隊」より政治家物語の部分が少なく、より現実的かつ具体性に富んだものとなっていますね。どちらかと言えば好戦的な艦長と慎重派の副長を対比させながら、あくまで現行法の下、専守防衛と人命第一(中国軍兵士にも)を掲げた自衛隊員達の奮闘物語、といった感じでしょうか。かわぐちかいじ氏の詳細な軍事兵器描写も、この物語では「現実」を感じさせ、近未来のフィクションとなってますが、今まさに「今日起こってもおかしくない物語」となっています。単行本は全13巻発売済。私は全て初版本を買う程に気に入りました。一年に三巻ぐらいしか発行されなかったので、一巻一巻をじっくり何度も読ませていただきましたが、「沈黙の艦隊」ほど長くはないので、今なら全13巻を一気に読めると思います。ミリタリーマニアの方以外にも、今を生きる日本人として、お勧めします。





映画化もされましたが、コレは相手を「中国」と名指しせず、架空の国家共同体「東亜連邦」などとしている点、尖閣諸島・先島諸島ではなく架空の「初島」にする点など、何とも腰の引けた映画ですので、まずは原作を読んでから、戦闘シーンを映像的に楽しんで見るのが良いかと。








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