SSブログ

サッカー撮影135(単独vs絡み その5) [サッカー撮影]

サッカー135-01.jpg

前回は「絡み」の画で、相手選手の表情は分からなくても、撮影者が狙う選手の表情がしっかり撮れている画を紹介しました。今回は、競り合う選手双方の表情が撮れている「絡み」について書こうと思います。

サッカー135-02.jpg

サッカー135-03.jpg

サッカー135-04.jpg

私は現在、対戦するどちらかのチームを撮れば良い、という立場で撮影はしていません。基本的には、対戦する両チームの選手が被写体です。しかし、ボールを競り合う複数の選手の動きを、同時に予測・把握する能力は持ち合わせていません。前回、「絡む選手を一塊として撮らない」と書きましたが、あくまで「基本的には」ですが、ボールホルダーである一人の選手を被写体として追従します。そうすれば自然と絡みのシーンに導かれることが多いことを経験的に知っているからです。全く知らないチーム同士の試合を撮ることは日常茶飯事ですが、それでもクライアントに満足してもらえているので、この方法を継続しています。

サッカー135-05.jpg

サッカー135-06.jpg

サッカー135-07.jpg

もちろん、その絡みを撮ったとて、選手の顔や表情が撮れないこともあります。いや、絡みでは顔や表情が撮れないことの方が多かったりします。だけど、狙います。それに魅力を感じるので、数少ないチャンスを逃すまいと、試合中は集中力を高く保持して臨みます。そして、フィジカルコンタクトを伴う絡みが生まれ、両選手共がうまく被写界深度内に収まってくれ、そして更に両選手の表情がしっかり撮れれば、大満足ですし、撮った実感がグッときます。これこそがサッカー撮影の醍醐味だと思うのです。ただこう書くと、両選手にピントの合った絡み写真というのは偶発性に左右される、と思われるかもしれません。確かにそれは否定できません。けれど、その偶発性の割合を少なくすることは可能だと信じています。

サッカー135-08.jpg

サッカー135-09.jpg

サッカー135-10.jpg

依頼撮影の場合、「AチームのB選手と、CチームのD選手の絡みの写真が欲しい。表情がはっきり写っているもの」というリクエストが来ることがあります。たとえ試合時間が60分であろうと90分有ったとしても、そのような絡んでボールを取り合うシーンはそんなに多く有りません。そしてその絡みを撮ったとて、狙う選手の顔や表情がしっかり撮れている、という画は更に少ないでしょう。そんな絡みの写真は難易度が高いし、偶発的要因に左右されることも有ります。しかし、それを狙うのなら、それに魅力を感じるのであれば、時にファインダーから眼を離してピッチを広く見て、シャッターチャンスの匂いがすればその選手の動きを追い、数少ないチャンスを逃すまいと、集中力を高くして臨むしかないと思います。ただ漫然と撮るのではなく、経験を重ね、自らが魅力を感じる写真とは何か、その「引き出し」を数多く持つことが、「シャッターチャンス」と思える機会を増やすことに繋がります。それこそが、偶発性を少なくする方法だと信じています。

サッカー135-11.jpg

サッカー135-12.jpg

サッカー135-13.jpg


nice!(3)  コメント(4) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 3

コメント 4

コメントの受付は締め切りました
wataru-wata

ジュニアユース様、おはようございます。

撮影技術のレベルが高すぎてコメントが全然出来ませんでした(><)

もはや私的には神の領域の話です。

特に「AチームのB選手と、CチームのD選手の絡みの写真が欲しい。表情がはっきり写っているもの」なんてな物は私にとっては「撮れた=1億円の報酬」くらいの高レベルな話です。

ジュニアユース様の話を「撮る側の人間」として拝見している私にとっては、「ボールホルダーである一人の選手を被写体として追従」したい気持ちはありますが、現実的には「絡む選手を一塊として撮」るのが精一杯です。

ジュニアユース様が協会から依頼されるのも納得です!!!
by wataru-wata (2022-02-21 10:13) 

ジュニアユース

wataru-wataさん、こんにちは。
偉そうなことを書いていますが、私も失敗しますし、クライアントの希望に常に100%応えられているわけではないです。
ただこうして依頼撮影を続けていると、常にプレッシャーは感じますが、確実に経験が積み重なっていきますね。
協会のカメラマン、雑誌社のカメラマンにならなければ、ただのカメラ好きのおじさん、で終わっていたかも、と思います。
その点で、協会の方々には感謝しています!
次回でこのテーマは最後です、お付き合いくだされば幸いです。

by ジュニアユース (2022-02-22 10:23) 

kin_gyo

こんにちは ジュニアユースさん。
いつもながら、遅い遅いコメント失礼いたします。

掲載された画のすごさに驚かされたのですが、それ以上に
依頼撮影のリクエストの高次元さに驚かされました。
私のように応援しているチームの撮影となれば、チームと選手の
特徴がある程度把握できているため準備できることもあるのですが、
おっしゃられるように、プレッシャーの中の撮影経験が
これらの画を生んでいるんですね。
by kin_gyo (2022-03-28 14:58) 

ジュニアユース

kin_gyoさん、こんにちは。
以前も書きましたが、偉そうなことを書いてますが、クライアントの希望に常に100%応えられているわけではないですよ。
それと、最近は我が県の選手に対する、そういったクライアントからの要望が少ないことに、ちょっと失望したりしてます。
やはり、全国レベルで注目されるような選手やチームが、毎年のように出てきて欲しいですね。



by ジュニアユース (2022-03-29 22:16)