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すそ野にて 8(高校女子サッカー選手権) [サッカーあれこれ]

男子の高校サッカー選手権の県大会が各地で行われている事を書きましたが、女子も行われています。「第29回全日本高等学校女子サッカー選手権大会」の県予選が我が県でも行われ、我が県代表校も先週決まりました。

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この大会もコロナ渦で開催が危ぶまれていましたが、無事開催されることになりました。今年で29回目ですから、最近になってできた大会ではありません。高校総体(インターハイ)と並んで、高校年代の全国大会です。ただやはり男子と比べれば、参加校が少ないですね。男子が「高校サッカー選手権」を目指して、クラブチームではなく高校サッカー部を選ぶ、という傾向が一部でありますが、元々競技選手数が少ない女子で、クラブチームと高校サッカー部に分かれてしまい、しかも女子サッカー部が無い高校もある、となれば、仕方ない面もあるかと思います。我が県も例にもれずそうで、その点ではちょっと寂しい。
日本サッカー協会(JFA)は勿論、女子サッカーの繁栄に尽力していない訳ではなく、その年の日本一を決める皇后杯を頂点に、大学女子選手権やU-18およびU-15女子選手権、クラブユース女子選手権などの全国レベルの大会を開催していますし、各県・各地域で女子のリーグ戦も行われています。ただ私的には、日本一を決める皇后杯に高校の女子サッカー部が出場する、というのは、ちょっとすそ野の狭さを感じてしまいます。関係者の負担は大きくなるかもしれませんが、多くの女子達にサッカー選手を目指してほしいと思っていますし、もっと多くの女子チームや女子サッカー部ができて欲しいし、高校卒業後もサッカーを続けて欲しいと希望しています。私も、このすそ野である我が県で、できる限り女子サッカーを撮って、協会の広報活動の一環に貢献したいと思っています。

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スポーツ大国のアメリカでは、女子のフィールドスポーツが少ないのでサッカーが注目されているそうで、競技人口も増えつつある、といった話を聞いたことがあります。それが国際試合における強さに繋がっている、と。彼の地でできることは我が国でもできるのではないでしょうか。愚息達から得た話だと、「足が太くなるからイヤ」「日に焼けるからイヤ」と敬遠する女子が多いとのこと。ボールは足の筋肉だけで蹴るのではありませんし、走るのはどんなスポーツでも基本です。日焼けするのがイヤなら、夏にプールや海水浴には行かないのでしょうか、その為の日焼け止め剤が数多く売られているのではないでしょうか。
男子の高校サッカー選手権は今年で99回目を迎えます。以前にも書いたことがありますが、この大会は野球で例えるなら、甲子園大会と同じです。全国大会に出場する県大会決勝戦には、すそ野の我が県でも、多くの注目を集めます。それに比べればまだ29回目とはいえ、同じ全国大会です。高校女子サッカー選手権にも、もう少し(メディアの力を借りてでも)注目して欲しいなあ、と思います(今年はコロナ渦で無理としても)。すそ野が広がらないと頂きは高くならない、それは女子サッカーでも同じです。

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選手たちは高校生活最後の大会に精一杯頑張っていました。撮影していて、「この子はどこかで撮ったことがある」と思うことが何度かありました。記憶を辿れば、小学生や中学生の時に撮ったことのある子でした。「ずいぶん大きくなったな~」と(親でもないのに)思うと同時に、「ずっとサッカーを続けてきてくれたんだ」と思えば嬉しくもなります。高校卒業と同時に別の道へ進む子達もいるでしょうが、何らかの形で今後もサッカーを続けて欲しい、と毎年撮っていて思う大会でした。

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シニアサッカー [サッカーあれこれ]

先週末は、県シニアリーグを撮りに行ってきました。

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シニアの方々のサッカーも撮りたいと常々思っているのですが、どうしても他年代の大会が有るとそちらを優先してしまって、なかなか機会が作れませんでした。昨年はシニアサッカーの撮影はゼロ。今年は日程的に、O-50(50歳以上)の最終節を撮りに行くことができ、これが今年最後の撮影となりました。50歳以上のリーグ戦ですが、中には60歳を超える方もいらっしゃいました。髪がちょっと薄くなっても、白くなっても、お腹がちょっと出ても、フルピッチを縦横に駆ける姿は皆さん元気そのもの。25分ハーフの50分の試合ですが、朝9時半から16時半まで6試合連続して撮っていると、こちらの方が疲れる有り様でした。

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さて、上の画はその時に撮った一枚です。白ユニフォームの選手が得点を決めて自陣に戻る際に、青ユニフォームの対戦相手の選手とハイタッチする姿を捉えたもので、どちらの選手も笑顔でした。これを見て、真剣さが足りない、遊びでやっている、と感じらた方もいらっしゃるでしょうが、私にはそうは思えませんでした。良いプレイには相手を称え、それを見れば「自分も」と意欲を沸せる、そんなシーンだと感じたからです。学生サッカーの大会で、負けてピッチに突っ伏する、悔し涙を流すシーンも印象的でありますが、それだけがサッカーではない、と思わされました。
このO-50のシニアの方々は、実社会で主戦力として働いている方でしょう。仕事の合間の僅かな時間を割いて、練習したり、試合に出たりで、サッカー中心の生活はできない方ばかりだと思います。それでもサッカーが好きで、仲間と一緒に汗をかきたくて、勝敗に一喜一憂したくて、こうして選手登録してシニアリーグに参加している方々だと思います。「サッカーやろうよ」と声を掛けて、チームを作って、再度ユニフォームを着てピッチに立っている方々だと思います。遊びでやっているサッカーを、私は撮るつもりはありません。現役時代と同じようなプレイは望むべくもないにしても、サッカーというスポーツに真摯に向き合っているに違い無いその姿は、撮るべきだと思い、足を運びました。年間通じて戦うリーグ戦ですから、自然と顔なじみになることもあるでしょう。そういう意味では、このリーグ全体が一つのチームなのかもしれません。それを示しているのが上の画だと思いました。

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たぶん皆さんの都道府県でも、こうしたシニアの方々のリーグ戦が行われていると思います。そしてシニアサッカーでも、全国規模の大会があります。それを目指す県大会や地域大会もあります。そこは、このシニアリーグから勝敗重視で選抜されたチームで挑む、真剣勝負の試合で、勿論それは、撮るべき対象です。しかし、サッカーというスポーツの試合で、力量の如何に関わらず、選手が勝とうという意欲を持ってプレイするならば、勿論それも、撮るべき対象に違いないと思います。今一度、生涯スポーツとしてのサッカーを考えてみる良い機会だと気付かされた一日でした。

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すそ野にて 7(ハーフタイム) [サッカーあれこれ]

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県サッカー協会のカメラマンを務めている私は、年代性別問わず、いろんな大会に顔を出しては撮り続けています。多くの場合、観客や保護者の方々より近い場所から撮影するので、まず大会本部に行って撮影許可を頂くのですが、その際に機材などを大会本部に一時的に置かせていただく場合もあります(盗難防止の意味もあります)。ハーフタイムになれば選手と同じように、一時休憩や水分補給、メディアの交換等の為、その本部に戻るのですが、大きな大会の決勝戦以外では、役員の方やレフリーの方に交じって、そのような場を借りてお世話になっていることもあります。その本部ですが、主要大会の決勝戦はともかく、それ以外の試合(公式戦でも)では、両チームのベンチの中間に本部が設営してある場合が多いです。そうなると、ハーフタイムでの両チームの様子が意図しなくても伝わってきます。
中学生年代のある大会の準々決勝。前半を0-0で終えた両チームの選手達がベンチに引き上げてきます。Aチーム選手たちは、まず水分補給のために各自がボトルを手にします。そこでAチームの監督が言います、「みんな水分補給をしながら聞け」と。その手にはフォーメーションが描かれたボードが持たれていて、前半の戦い方の問題点を指摘していきます。選手たちはボトルを手にしたまま、監督の言葉を聞き続けています。その後は各個人の問題点や後半に向けた修正点を話し続けます。更に、この試合の意味や意気を鼓舞する言葉が延々と続きます。最後に、叱咤激励する言葉が出ると、主審からホイッスルが鳴り、後半に向けて各選手が小走りにピッチに向かって行きました。結局このAチームの監督は、10分間というハーフタイムの間、時にボードを指さし、時に大声で、時に動作も交えながら、ずっと喋り続けていました。それを傍らで見ていた私は、後半に向けてピッチに散っていくAチームの選手たちの表情を見て、監督の言ったことがどれだけ理解できたのか、後半に向けて自らがどうしようとしているのか、懐疑的になってしまいました。
では、もう一方の対戦相手のBチームはどうだったか。ベンチに戻ってきた選手たちが、まず水分補給をして、その後監督の前に集まったのは同じ。しかしその後Bチームの監督は、「勝ちたかったら後半頑張れ」その一言を告げるとベンチから出て行ってしまいました。残された11人の選手と控え選手達。その後、彼らから次のような会話が漏れ聞こえてきました。
「おい、ヤバイよ、監督怒っているよ」
「どうする?」
「俺思うんだけど、相手の7番より俺の方が絶対足が速いと思うんだ。だから裏にボール出してくれよ」
「そうだな、そうしよう」
「バックパスをするとき、キーパーから声をかけてくれるとノールックで出しやすい」
「そうか、分かった、そうする」
「相手の10番にボールが渡ると左右に散らされて、俺たち走らされるからキツイよな」
「そうだよ、そこはボランチが早めにプレスに行かないと」
「ウン、俺が付くからオマエは後ろでバランス取ってくれ」
「了解した」
そんな選手同士の会話が続いていたところに、Bチームの監督が戻ってきました。本部からその監督に、「メンバー交代ありますか?」との声が掛かりますが、「ありません」と答える監督。その刹那、「よし!」という小さな声が選手から出たことを私は聞き漏らしませんでした。その「よし」は、メンバー交代が無いなら今話したことが実践できる、という意味でしょう。ハーフタイムが終わってBチームの選手もピッチに散っていきました。
さてその後、この試合がどういう結果になったかは、ご想像にお任せします。
勿論この一試合だけを見て、私は結論めいたことを言うつもりはありません。中学3年生にとっては、2年半という時間の積み重ねがあって、この試合にたどり着いたのです。その間、多くの練習と試合を重ねて、監督と選手、選手同士の関係を築いてきたはずです。Aチームの監督にしても、多くは語らず選手に自由にやらせた試合もあったでしょうし、Bチームの監督も、練習では細かなことまで指導していたこともあったでしょう。年によってメンバーが変わるのが学生スポーツですから、去年と今年では指導方法が変わったかもしれません。いづれにせよ、其々のチームには其々のやり方・育成の仕方があり、それがチームカラーとなっているはずです。そのカラーが何色も有ってもおかしくないどころか、何色も有るべきだと思います。
今回私が目にした光景は、その一断片にしかすぎず、カメラマンとして両チームのベンチ近くにいたから得られたものです。では、ベンチから遠く離れた場所から見ていた保護者の方々には、どう映ったでしょう。Aチームの監督は熱心で、Bチームの監督は殆ど指導をしていない、と映ったかもしれません。この時期ですから、小学生やその保護者の方も見に来ていました。来年の進路を決める為でしょう。その彼らにはどう見えたでしょうか。
サッカーはチームスポーツです。一個人の能力の優劣だけで勝敗が決まるわけではありません。と同時に、一個人がチーム全体のカラーを決めることも難しい。こんな地方の県大会準々決勝など、全国的に見れば「取るに足りない試合」なのかもしれませんが、日本代表をサッカーピラミッドの頂点と考えるなら、その頂点を目指すには、この「すそ野」から昇り詰めないといけない。そう考えると、チーム選び・指導者選びは、なかなか「取るに足りない」ものではないな、と思ってしまいました。

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