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リターンライダーへの道(その5) [車・バイク]

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卒業検定落第の私は、1時限の補習です。教官には落第個所が伝わっていたのか、「低速走行が苦手のようなので、そこを重点的にやりましょう」とのことで、一本橋中心に走りました。その時の教官に言われたのは、一本橋落下は即検定中止なので、落ちるぐらいなら早く走り抜けた方が良い、ということ。15mを10秒以上ですが、1秒早くても5点減点だけです(100点満点で70点以上で合格)。もう私の中では、端から10秒以上で渡ることなど考えず、落ちないことを最優先です。それと、一本橋の直前が波状路なのですが、この波状路を通過して一旦停止する位置が重要。このコースでは、波状路を通過してすぐに一旦停止、すぐに一本橋です。一本橋に対して真っすぐに見える位置で止まることがポイントだとネット動画で知りました。なので、波状路を通過している時に、既に一本橋の開始場所を意識していないといけない事に気付きました(今更ですけど)
そうして補習1時限を終わったら、2回目の卒業検定の予約です。その教習所では、二輪の卒業検定は木曜日と土曜日しか受けられないので、仕事でどうしても木曜日は無理な私は5日後の卒業検定となりました。5日も空いてしまうのには不安がありましたが、しかたない。もうその頃にはいつ教習所が閉鎖させてもおかしくない状態です。実際、「卒検の予約をされましたが、もし閉鎖されましたら自動キャンセルになりますので、ご了解ください」と受付嬢に言われてしまいました。今度も落ちたら、もう次はいつになるか分からない、それがまたプレッシャーになってしまうところが、私の自信の無さの表れですね。
その2回目の卒検前日、感覚を確かめておこうと愚息2号のバイク(CB400 SB)に久しぶりに乗ってみました。走りだした瞬間、エッ!と思ってしまいました。以前乗った時の、ただ動かせているだけ、ただ乗っているだけ、といった感覚が随分と薄れ、自分が操っている感覚が戻りつつあるではありませんか。これは、教習所通いで基本的なことも再度教えられ、繰り返し練習させられた結果でしょう。様々な課題を突き付けられて悪戦苦闘してバイクの操作に慣れてきたのでしょう、昔の感覚が(完全にではありませんが)徐々に蘇ってきている感じが有るではありませんか。これは私の望んだ方向に進んでいることを確認できて、僅かながら気持ちが前向きになりました。
さて、2回目の卒業検定です。今回は、普通自動二輪を受ける中年女性1人、大型二輪を受ける30歳前後の男性と私の計3人です。卒業検定の手順の説明がされましたが、もう前回聞いている私には多少の余裕が出来たかと思ったら、それでもここで落ちたら(新型コロナウィルスの影響で)次が何時になるか分からない不安が前回と違うプレッシャーになっていますから、やはり私には余裕などありませんでした。
最初は中年女性でしたが、乗車したらプーっとクラクション音が。たぶんウィンカースイッチとホーンスイッチを間違えたのだと思いますが、彼女の緊張具合が伝わってきます。そしてやはり一本橋で落下して即検定終了。戻ってくる彼女の顔は見ないようにしました。二人目の男性、ハッキリ言って彼は上手いと思いました。難なく全行程をこなして戻ってきましたから、これは間違いなく合格でしょう。そして最後は私です。
もう一本橋は減点覚悟です。逆に、そこで減点されるから、他のところでは絶対減点されないよう、安全確認などは極めて慎重にして、問題の一本橋へ。もうタイムなんか関係ない私は、落ちずに通過するだけでホッと一息。それでも気を抜かないように(減点されないように)慎重に後をこなして、全行程終了出来ました(下車するとき気が緩んだのか、バイクを倒しそうになったのにはヒヤリとしましたが)。乗車終了の合図を教官にすれば、教官は手で丸印を作って応えてくれました。合格を確信した瞬間でした。
その後、二輪用控室に戻ってプロテクター等を外し、ロビーで待つこと30分。名前を呼ばれて行ってみれば、普通二輪の女性は不合格、大型二輪の二人は合格、と告げられました。「合格者は書類を用意しますから夕方に再度来校して、卒業式に出てください」と言われました。その卒業式までは時間が有ったので一時帰宅することにし、途中コンビニに寄ってコーヒーを一杯。大型自動二輪免許獲得を目指す経緯、途中挫折しそうになったこと、あまりの醜態で自信を無くしたこと、自己の加齢を痛感したこと、でもやっとそれも報われたこと、コーヒー一杯を飲む間にそんなことが浮かんでは消えると、達成感と安堵感が入り混じった感が湧き起こったりして、歳甲斐もなく思わず目頭がウルッときてしまいました。そんなことをしていたら、それまで晴れていたのに、いきなりの豪雨。検定中にこの豪雨だったら、絶対合格しなかっただろうなあ、もしかして検定自体が中止になっていたかも、と思ったら、ホントにギリギリの合格だったのだと思いました。家族もきっと気にしてくれているだろう、と思って合格をメールで伝えていると、いつの間にか雨も止んでしまいました。
卒業式といっても、実は運転免許センターへ提出する書類の受け渡しと免許更新手順の説明だけで、特に卒業式らしいことは行われませんでした。ただ、ここで終わりではないんだ、県の免許センターへ行って運転免許の更新をして初めて終わるんだ、と思わせられました。そして、その県の運転免許センターも新型コロナウィルスの影響で、いつ閉鎖されるか分からない、と言われました。二輪の更新は(我が県では)火曜日と金曜日と決められています。来週の火曜日には何としても行って更新しなければ、と思いながら、その自動車学校の校舎を出ました。
振り返ってみれば、補習や二度の卒検を含めて3週間近く通った教習所。入所時はまだ薄ら寒かったのに、汗をかきながら走ったこのコース、もう来ることは無いかもしれません。今も目の前で二輪教習を受けている人達がいます。彼ら彼女たちの早期の卒業を祈りながら、私の教習所通いも幕を下ろしたのでした。

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