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サッカーファミリー [サッカーあれこれ]

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私がこれまでアマチュアサッカーを撮り続けてきて、最も盛り上がる大会といえば、小学生の全日本少年サッカー大会と、高校生の全国高校サッカー選手権。前者は毎年夏に行われ、今年は福島のJヴィレッジが使えないので、静岡県に場所を変えて、柏レイソルと名古屋グランパスという、Jクラブ下部組織同士が覇を競った(レイソルが優勝)。後者の方は、元日前後から東京各地で行われるので、今は都道府県予選の真っ最中というところ。
考えてみると、高校サッカー選手権は、ちょっと特別な大会かもしれないと思う。Jリーグの下部組織やクラブチームは出場できない。出場できるのは高校のサッカー部のみ。現在では、この年代の優秀な選手が、クラブチームに流れている事を考えると、そんなクラブチームと高校サッカー部の垣根を無くして頂点を決める、高円宮杯U-18サッカーリーグ(こちらも現在進行中)の頂点の方が、より重みがあるように思えるのだが、実際は人気度・注目度では劣る。ある程度以上の好成績を残さないと、参加すらできない高円宮杯に比べ、サッカー部ならどこでも参加できる(今年の参加校は4174校)であることと、やはり伝統の大会(今年で90回目)という重みのせいだろうか。
教育の一環として設けられた部活動の全国大会という意味では、夏の高校野球と同じかもしれない。ただ開催時期が、夏休み期間中に行われるのとは、周辺状況がだいぶ違う。進学するにせよ就職するにせよ、本来極めて大事なこの時期に、高校サッカー最後の大会に挑む選手とその保護者の気持ちは、察して余りある。周りが卒業後の進路について右往左往している中で、これまで以上に部活動を続ける熱意、小学生から支え続けた保護者の、息子の最後のユニフォーム姿になるかもしれない想い、それらがこの大会を盛り上げるバックボーンになっていることは、間違いないと思う。夏休み前に敗退してしまっても、受験までに半年以上の時間のある高校野球とは、ちょっと違う。押し迫られた重圧感が、盛り上がりの一因になっている部分もあるかもしれない。この辺りのことは、また機会を改めるとして、ここでは深く掘り下げることはよそう。
さて、そんな高校サッカー選手権の我が県予選を見に行ってきた。一次予選は高校のグランドで行われ、たまたま愚息1号の通っていた高校がそうだったので、久しぶりに門をくぐった。愚息が卒業して2年になるので、知った顔も少ないだろうと思いきや、試合会場にはこんな時期なのに、十数名のOB達が顔を出しくれていた。「おたくの高校は、卒業してもちゃんと応援に来て偉いですね。ウチの高校なんて、卒業生が応援に来ることなんて滅多に見ないですから」と、その場で出会った知人に言われたのだが、ちょっと苦笑してしまった。
その苦笑の意味とは、こういうことだ。私に声をかけた知人の子息は、我が県では強豪校でプレーしていた。当然、卒業後も現役として大学や社会人でサッカーを続けている比率は高く、こんな日曜日には遠征やら試合やら練習で、見に来る余裕など無いのではないだろうか。また、サッカー関係の伝手で、遠方の大学に行っている者が多いこともあるかもしれない。決勝などの舞台に立てば、もちろん応援に駆け付けるだろうが、勝って当たり前の一次予選には、まあ来ないのが普通だろう。それに比べ、それほど強豪ではない我が愚息の通っていた高校は、進学率は高いのだが、大学で真剣勝負をやっているのは僅か。同好会や仲間内で楽しむ程度のものが多い。進学率は高いといっても、高校3年の最後までサッカーを続けていた者には、勉学目的で遠方に行く者は少なく、地元に残っている者も多い。幸か不幸か、母校の試合を見に来やすい環境にあるのだ。それに、来れば知った顔にも会えて、試合を見た後に屈託の無い近況報告等のミニ同窓会を楽しめるかもしれないとなると、来る甲斐は見いだせる。そう推測すれば、私の苦笑の意味を分かっていただけるだろうか。
しかし、そんな若干の付録価値に重きを置きながらも、応援にやって来るこのOB達も、サッカーが好きなのだと思う。必死の形相で汗を飛ばす事、悔し涙を拭う事はもう無くても、皆サッカーが好きなのだと思う。好きだから来る、好きだから後輩のプレーに一喜一憂する、好きだから分かるし、見ても楽しめる。そして、これから先もたぶん、好きであり続けるだろうと思う。そうでなければ、いかに時間的に自由のきく大学生とはいえ、興味の対象ならいくらでも探せる年代が、ここに休日を費やす理由が他には見つからない。たとえ見知った後輩がいなくなっても、監督である先生が去っても、自分がプレーできなくなっても、一時期自分が打ちこんだサッカーという競技の厳しさと楽しさの一部を知る者として、これからもサッカーへの親近感にも似た気持ちを持ち続けていくだろう、と私は確信している。そう考えていくと、後輩たちの高校生活最後の試合になるかもしれない熱戦に目を向けているこのOB達は、母校のみの応援者だけではなく、サッカーという競技のサポーターなのかもしれない。いやたぶん、単なる嗜好者以上にコアなサポーターだと思う。
以前書いた、日本サッカー協会(JFA)の2005年宣言。そこには、サッカーファミリーを増やす、という題目が掲げられている。グランド上で切磋琢磨している者は当然として、そうではなくてもサッカーの、喜びも悲しみも苦しみも理解し、それでも興味を持ち続け、眼差しを向け、時に期待を胸に抱き、時に声を出して応援し、時に落胆で批判めいたこと思っても、学校のグランドの片隅で、観客席で、テレビの前で、このスポーツの素晴らしさを感じられる人々とその仲間たちのことを、実は「サッカーファミリー」と呼ぶのではないだろうか。その輪広げることを目指しているのではないだろうか。そしてそれならば、こんなちっぽけな片田舎にも見つけられるのではないかと、試合終了のホイッスルと共に拍手するOBたちの姿を見ながら、フッと思った次第である。

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秋本番 [日々の徒然]

ここのところ、どうも文字数の多い記事か続いてますので、今回は写真中心で短く。

先日は木枯らし1号が吹いた、というニュースが流れましたが、秋本番ですね。休耕田を利用して、見ごろを迎えたコスモスが楽しめる、というところに寄ってみました。

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たくさん咲いてるなあ、と思って、いざ写真を撮ろうとすると、なかなか難しいですね。群生しているようで、実は花と花との間隔が結構あって、密に撮るには望遠系レンズを持って来て、圧縮効果を利用したほうが良かったかも。

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コスモスは秋桜と書きますが、春の桜のように、太い幹で支えられて謳歌するわけでもなく、お隣との間隔を微妙に保ちながら、風に揺れる。その色あいも、向いている方向も、個々其々。いろんな想いや出来事の詰まったあの夏を、過ぎた後の秋に咲く花として、似合っているのかなあ、なんて思ったりして。
空を見上げれば、これまた秋を代表するうろこ雲。これはやっぱり、フィッシュアイを持って来て撮りたかったですね。

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CANON EOS 1DX 発表(後編) [カメラ機材]

AF関係は完全リニューアルされたようで、一見すると1D4と7Dを合体したような感じに見えます。使用レンズにより測距点数とクロス測距点数が変動するにしても、F4でも従来のF2.8クロス測距並みの性能があるという事ですし、7Dで採用されたスポット1点AFやゾーンAFも採用されて、使い勝手の幅は確実に増えていると思います(F4レンズ使用時の精度アップが目につくので、これはフルサイズ化で1.4xテレコン使用者が増えること見こしての対処かな)。中央部には縦横に加え斜めのセンサーも配置したらしいので、背景のネットやフェンスにピンが引っ張られる事が少なくなるかも。
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ただ、ファインダーの見易さ(広さ)の向上は認めるものの、画面全体に占めるAFフレームの配置が、やっぱり中央に寄りすぎている感じを、実使用で従来の1D4ユーザーやAPS-C機ユーザーは感じるのではないかと思います(しかも、左右一番端のフレームはクロス測距ではない)。フルサイズ化された故ですが、それだけ画面端で正確な測距をすることの難しさを表している、とも思えます。以前キヤノンの技術の方から、AF性能はセンサー性能やアルゴリズムの熟成の他に、いかにセンサーに純度の高い光を導くかという点も重要、との話を聞いたことを思い出しました。その点で、楕円サブミラーを採用している1D系は、他機種よりも力を入れているはずですが、新開発された1DXのAFでも、フレームをちょっとでも外に広げることは、かなり難しい事なんでしょうね。
それでもカタログを見る限り、なかなか魅力的に思えます。AI SERVO AFも1D4のⅡ型からⅢ型になり、最も多くのプロからのフィードバックが期待される1D系ですから、アルゴリズムもきっと進化していることでしょう(実際の発売までまだ5カ月ありますから、現在も熟成中かも)。ただ、このAFばかりは使ってみないと分かりません。1D3の時も、発表の際は期待させてくれましたが、実際の使用では酷評も出て、結局その後2回のリコール修理を経なければなりませんでした。発売までにいろんな試写記が出てくるでしょうが、発売開始されて一般ユーザーの手元に渡ってからのレビューを楽しみに待ちたいと思ってます。
縦位置用のマルチコントローラーがやっと新設されたのは、ユーザーリクエストの反映でしょうか(私も機会あるごとに要求してました)。私のように縦での撮影が多い者にとっては、ファインダーを覗きながらの測距点変更が、随分やり易くなると思います。使う使わないは別として、カメラ前面マウント周辺に、様々な機能を割り当てられるマルチファンクションボタンが縦用・横用別々に新設された事を見ても、縦での撮影への配慮がうかがえますね。AF関係のメニューが、従来はカスタムファンクションの中の一部だったのが、1DXではAFタブとされた点も、私的には良く触るところなので好感点だし、背面液晶の縦横比も、1D4の4対3から3対2の104万画素3.2型になったし(3対2の画像を撮るのに、なぜ今まで液晶モニターが4対3だったのか理解不明)、記録メディアが現状ではSDよりも高速化が進んでいるCFのダブルスロット(1D3の時はUDMAへの対応が遅れてCF性能を生かせなかったもどかしさがありましたが、最新のUDMA mode7に対応)になった点、7Dで採用されたクイック設定ボタン(これ、私は結構便利に使ってます)や電子水準器の新設、新型のゴミ取り機能が搭載された点、1D4用との互換性を持ちながらも容量アップしたバッテリーなど、ボディ&機能関係の改良箇所は、1D3から1D4へのモデルチェンジ以上に感じ、この点では非常に魅力的。なのでよけいに、このボディにAPS-Hセンサーが載っていれば、借金してでも買っていたかも、などと私は考えてしまいます。その価格は、当初65万円程度と言われてましたが、キタムラでの予約は58万円程なので、発売当初の価格はそれくらいかな。値落ちの少ない1D系ですから、発売後1年経っても50万円を切るのは難しいかな(発売後の人気次第かも)。
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さて、メーカーのキヤノンは、従来の1D系と1Ds系を統合して1DXとして発売した、と言ってますが、私にはこの1DXは1D4の後継機にしか思えず、とても1Ds3ユーザーを納得させられるものではないと思ってます。私は1Dsユーザーではないので、あくまで憶測ですが、あの堅牢で利便性が高いボディに、フルサイズの高画素センサーが載っていたからこそ、1D系よりも30~40万円の追加投資に価値を見出して1Ds系を購入していたのだと思います。今回の1DXが、いくらフルサイズになろうとも1800万画素では、大判プリントを前提に撮影される方、緻密で高精細な画を望む方の買い替え意欲を刺激すると思えません。メーカー関係者は、1DXの1800万画素は1Dsの2110万画素の画を超える、と言いますし、画素数が画質の全てではないことは分かっているつもりです(APS-Cの高画素化はもう充分でしょう)。けれど、フルサイズセンサーの高画素化と高画質化のバランスレベルは、まだまだ上げられると思っているので、どうも私には言訳っぽく聞こえてしまうのです。1Ds系は需要が少ないので廃止しました、フルサイズの高画素機は他に用意しますので、そちらへどうぞ、という風に解釈してしまったのですが、どうでしょう。勿論、将来的に1Ds系が復活する可能性はありますし(今回統合すると言っちゃった以上、暫くは無いでしょうけど)、ソニーから(それを採用するニコンから)APS-Cで2400万画素、フルで3600万画素と言われるセンサー搭載機が登場しても、これまで高画素化をリードしてきたキヤノンが、一転してそれを捨てるとも思えませんから。
各カメラ雑誌の発売日を見越して10月18日に発表し、2日後の雑誌には記事が載る(少なくとも10月初旬には既に、各編集社に内容やら写真が配布されていたはず)とは、数が売れないプロ機にしてはキヤノンは力を入れてますね。1D4のAPS-Hを捨て、1Ds3の高画素を捨て登場した1DXですが、それを補える高評価とユーザー数を獲得できるのか、興味シンシンです。

とまあ、アマチュアユーザーの一人である私が、カタログを手にしてツラツラ思ったことを書いてしまいました。間違っている点・誤解している点もあるかもしれませんが、まあ秋の夜長、軽く聞き流してくださいね。
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CANON EOS 1DX 発表(中編) [カメラ機材]

さて、EOS-1D X(1DX)が発表されましたが、現段階の個人的な感想をちょっと書かせていただきます。勿論、実機を見たことも触ったことも無い段階ですし、1D2→1D3→1D4と1D系を使い続けてきたとはいえ、アマチュアユーザーの戯言なので、まあ個人のブログということで、軽く聞き流していただければ、と。

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1DXの詳細スペックについて、ここでは割愛させていただきますが、一番の大きな変更点で、最も話題になった点は、やっぱりセンサーサイズがAPS-H(27.9X18.6mm)からフルサイズ(36X24mm)に変更された点だと思います。コンパクトタイプのデジタルカメラのセンサーが、1/2.7から1/2.3が主流になったことは、大した話題にもなりませんでしたが、レンズ交換を前提とした使い方をするデジタル一眼の場合、使用レンズの焦点距離の点で使い勝手が大きく変わるこの変更は、まず注目すべき点でしょう。キヤノンのデジタル一眼レフカメラには、従来から3種類(APS-C・APS-H・FULL)のセンサーサイズが使われてきましたが、このAPS-HサイズのCMOSセンサーを使うのは(他メーカーを含めても)1D系のみで、中途半端なサイズとか製造コスト面で不利と言われ続けてきたことは、ご存じのとおり。ただ、使用レンズの焦点距離を1.3倍にする(実際はレンズ中央部をクロップすることで、焦点距離が延びた効果を生む)APS-Hサイズは、スポーツカメラマンなどの望遠系を主に使う方には評判が良く、それがこれまた連写速度等の点で優位な1D系に採用されたことが、この異端児に思えるAPS-Hがこれまで生き残ってきた大きな理由でもありました。ただ逆に、それ以外の理由でAPS-Hサイズを選ぶ理由が少ないのも確かで、近い将来無くなる可能性が高いのではと、随分以前から言われていました。それが今回のモデルチェンジで実施された、ということなのでしょう。
1コマ36X24mmのフィルムを使っていた一眼レフカメラが、そのフィルムをデジタルセンサーに置き換えるにあたって、当初はその価格が問題でした。CCDにしろCMOSにしろ、センサーは非常に高価な部品で、単純に置き換えるとカメラ本体価格が高くなりすぎ、普及に大きな障害になることは自明でした。そこで、大昔に有ったAPS-Cという規格を引っ張り出し、多くのメーカーがそのサイズのセンサーを採用することで製造コストを抑え、デジタル一眼を積極的に普及することになり、レンズメーカーをも賛同参加することで認知され、今に至ったという訳です。面積比で言えばAPS-Cサイズのセンサーは、フルサイズの半分にも満たないので、使用レンズの焦点距離は約1.5~1.6倍相当になり、望遠好きにはたまらないのですが、広角系に弱いことが当初は問題視されましたが、今ではAPS-C用の広角レンズが多数登場するに至って、完全に市民権を得た、という訳ですね。それを考えれば、今のデジタル一眼の大多数を占めるAPS-Cというサイズは、生産効率やコスト削減の点で決められたもので、APS-Cよりも少し大きいAPS-Hを「中途半端」とするなら、APS-Cだって「妥協」サイズです。ボディもレンズも(一部を覗いて)本来は36X24mmで受光し記録するように造られてた一眼レフカメラですから、上記の点が解決されれば、本来のサイズのセンサーに戻るのが道理と思います。ただ、APS-Cセンサーは既に市民権を得てしまった以上、これを無くすのは企業として損失なので、今後も無くならないだろうし、より低価格になっていくでしょう。さてそうなると、その中間サイズのAPS-Hは、やはり効率という名の下に無くなる運命だったのかもしれません(個人的には、これは惜しい事ですが)。

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これが最後のAPS-H機になるかもしれない、と思いながらこれまで買い替えてきた私ですが、とうとう手元にある1D4がそうなりました。では1DXに買い替えるか、といえば、今のところNOです。私の敬愛するスポーツカメラマンの菅原正治プロも指摘されていましたが、1D4に比べより長い焦点距離のレンズを使わなくてはならない点がネックです(最大の理由は懐が追いつかないことですが)。これまで、1D4+ヨンニッパ(EF400mm F2.8 L IS)で撮っていたのが、1DX+ゴーヨン(EF500mm F4 L IS)にするか、EF1.4x EXTENDERを常用するか、という選択を迫られます。前者の場合、新聞社などの会社や著名なプロなら、既にレンズラインナップが豊富に確立されているでしょうから、保管庫から持ち出すレンズが変わるだけですが、我々のようなアマチュアの場合は、やっぱりレンズの買い替えを意味し、それは当然更なる投資が必要です。開放F値がF2.8からF4になるのは、たぶん高感度特性の向上で補えると思いますが、個人的にはやっぱりゴーヨンよりヨンニッパのキレ味が好きなので、その点での抵抗感もあります。後者を選択した場合、動体撮影ではテレコン使用によるAF速度・レスポンスの低下が気になりますし、描写的も一段落ちる(なので一段絞りたい)ことを考慮すれば、今までテレコン無しの感覚に慣れている身に、追加投資したのに実際の撮影で何だかもどかしい、といった事になりそうで。
では、1DX+ヨンニッパで、足りない場合はトリミングで対処、という方法はどうでしょう。1DXのフルサイズ1800万画素センサーを、1D4のAPS-Hサイズにトリミングすると、1100万画素を少し超える程度で、現在の1D4の1600万画素には及ばない。APS-Hサイズにトリミングして現行の1D4並みの画素数を確保するには、フルサイズで2500万画素程度必要で、こう考えると1DXの優位性が見出せません(1D4の画素ピッチは5.7μmに対して1DXは6.95μm)。画質は何も画素数だけで決まる訳ではない、ということは充分承知しています。ただサッカーのように、常に前後左右に動きまわっている被写体を単焦点レンズで撮るとなると、元々がトリミングの頻度は高く、1DXに替えて更にその頻度が増すようだと、手間が増して緻密感が減る結果となり、せっかくの投資効果が怪しくなります。高感度に強くなることや諧調特性の向上などが見込まれるでしょう。でもそれは、ある意味当り前のことであって、画素ピッチを同一のままフルサイズ化してそれを実現することが、技術の向上であり、モデルチェンジの意味であり、投資するに値する価値だと、私は思うのですが、どうでしょう。7Dにおいて高画素化(画素ピッチの狭小化)の弊害も感じていますので、私は何も画素数至上主義ではないのですが(SONYのAPS-Cで2470万画素というのも、ちょっと・・・)、この1DXのフルサイズ化と画素数に関しては、どうも魅力&進化度&投資価値を感じられないのです。
画素数をある程度抑えたから、連写速度を1D4の秒10コマから秒12コマに増やせたのだ、という指摘があっても尤もだと思います。連写速度は速い方が良いと思います。それは、1秒間に何枚撮れるか、ではなく、一枚撮って次の一枚を撮るための時間が如何に短いか、という意味でです。秒8コマの7Dでは0.125秒後に次の1枚が撮れます。秒10コマの1D4では、それが0.025秒短縮されます。秒12コマの1DXになると、7Dより0.042秒、1D4から0.017秒短縮されます。この点を重視される方なら、1DXの価値はグンと上がるかもしれません。また、画素数を押さえて画素ピッチを確保することで、ISO51200を可能にしたことに価値を見いだせる報道関係の方なら、歓迎されるかもしれません。ただ私は、そうではないのです。
カタログスペックだけで見れば、このフルサイズセンサーの採用が、私の使用状況においては魅力的に思えず、どうせフルで出すなら2500万画素程度で出して、それで1D4以上の高感度特性と諧調特性を実現してこそ、1D4からの2年間の進化を証明したことになるのでは、などと思ってしまいます。買えないひがみ、かもしれませんが(笑)。

(あ~あ、長文になってしまいましてスミマセン。続きは次回で)
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