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サッカー撮影41(ポートレート的 前編) [サッカー撮影]

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サッカー撮影とは殆どの場合、プレー中の選手を撮ること、と以前書きました。選手を撮るとは、人物を撮るということで、その意味ではポートレートなのです。ポートレートといえば、縦での撮影でバストアップ、瞳にピントを合わせて他はぼかす、というのが本来なのでしょうが、ここではもう少し広義に考え、「サッカー撮影に於いてのポートレート」という点を意識してみよう、というのが今回のテーマです。

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まず上の写真ですが、ポートレートとしてはどうでしょう。ポーズをとってニッコリ微笑む綺麗なオネエサンの写真ではありませんが、試合に掛ける意気込みが、選手のボールを見つめる眼に感じられる男性的な人物写真(ポートレート)だと思います。でも、実はこの写真はトリミングしてあって、ノートリミングの原画は以下のものなのです。

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もう一例挙げます。今度は女性です。上の写真はポートレートとしてはどうでしょう。勿論これも、女性の美を表したものではありません。女子サッカーでも真剣勝負の場で見せる、彼女たちの必死の表情に的を絞ったつもりです。でも、これもトリミングした画であって、ノートリミングの原画は以下のものです。

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トリミング自体が悪いわけでも否定しているわけでもありません。実際には私も良く使いますし、皆さんもきっとそうでしょう。試合中のサッカー選手というのは、広いグランド内で常に動き回っている、しかもその方向も早さも決まった動き方をしない人物です。撮影者との距離は常に変化しているので、いかにズームレンズを使ったとて、瞬時に望んだような大きさに切り撮れるわけではありません。もちろん、こちらを振り向いてニッコリ微笑んでくれる訳でも、ポーズの注文を出せる訳でもありません。そんなサッカー撮影(サッカー選手の撮影)において、選手を大きく撮ることが、いかに困難な事か、想像できると思います。ましてや、ファインダーから体の一部がはみ出てしまうぐらいの大きさで撮る、ということは、一試合を通じて数多くシャッターを切っても、そう多くは望めません。であるならば、そこそこの大きさで撮って、トリミングしてポートレート風にする、という手法ならば簡単かと思われます。

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上の写真はノートリミング原画ですが、ではこれをトリミングして、ポートレート風にしてみたのが下の画です。

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ボディが1D4なので、原画は3264x4896です。トリミングした画は1500x2000程です。ホームページやブログに載せるには問題なくても、いざコレを印刷しようとすれば、300万画素ですから、A4プリントでは無理でしょう。ポートレートというならば、肌の質感や髪の毛の子細なウェーブなどが表現できていなければなりません。トリミングで対処するにも限度があります。ある程度以上大きく選手を撮って、それでも動体撮影ですから、無駄な部分は出てきますので、それを排除する程度にトリミングを押さえないと、A4プリントに堪ええるポートレートにはなりません。

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一般的にプリントでは、「300dpiが理想」と言います。A4で300dpiとは、2479x3508 pixclです。では、トリミングしたとしても長辺は3500pixel以上、という条件を付加することにします。そこで、下の2枚の画をご覧ください。

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上の2枚はいづれも高校サッカーで、1D4で撮りましたから原画は3264x4896です。DPPにてトリミングして、1枚目は3942x2628に、2枚目は4006x2671になりました。これぐらいなら、A4プリントで十分な大きさだと思われます。下にその際の画を載せます。

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しかし、です。1枚目は、背景に対戦相手の選手が写りこんでいて、ポートレートとして見るならば、ちょっと邪魔な感じがします。2枚目は背景がきれいに整理できていますし、選手の表情に試合中の雰囲気がうかがえますが、ボールが写っていません。この2枚とも、写っている選手には何ら問題はないのですが、ここで私の目指す「サッカー写真に於けるポートレート」にはなっていないと思うのです。

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