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すそ野にて 9(全日本U-15女子サッカー選手権) [サッカーあれこれ]

先日「第25回全日本U-15女子サッカー選手権大会」の一回戦、二回戦が我が県で行われ、私もカメラマンとして参加しました。

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この大会も25回目ですから決して最近できた大会ではないのですが、昨年までは真夏に行われていたのが、今年はコロナ渦の影響でこの時期での開催となりました。無観客ではありませんが、会場内に入る際には必要十分な予防・拡散防止対策がとられていました。そのせいか、全国大会にも関わらず、ちょっと観客数が少なかったのが残念でした。皇后杯もそうですが、遠方からこんな田舎に来ていただき、熱い戦いを見れるのは、(関係者のご苦労はありますが)ありがたいことだと思っています。
都道府県代表を勝ち取って、地域代表決定戦で勝ち上がった32チームが、トーナメント形式で戦います。決勝は12月28日(味の素フィールド西が丘)で、男子の同年代の全国大会「高円宮杯 第32回全日本U-15サッカー選手権大会」と同じ日に同じ会場で行われ、動画のネット配信もあるそうです。この男子と同じにすることで、女子サッカー自体を盛り上げ、注目されるようにするのが、この時期に移動させたJFA(日本サッカー協会)の狙いなのでしょうか(私の推測ですが)。社会人&プロの天皇杯、高校生(男女)の高校選手権、そして中学生年代のこの大会が年末から年始に相次いで行われると、小学生年代の全日本U-12大会は以前から年末に全国大会が行われていますから(鹿児島県)、サッカー界としては何とも忙しい年末年始です。

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こういった、学校の部活チームとクラブチームの垣根を超えた全国大会というのは、学生年代のサッカーとしては進級・進学で毎年メンバーが変わるのですから新鮮でもあり、その年の目標となる大会で、それを目指して日々頑張る選手たちを見れば、各年代で必要だと思います。ただ、どうしても学校の夏休みや冬休みに開催されることが多く、昨今の日本の夏は酷暑ですから、この初冬の時期に集中するのは仕方ない面も有るかと思います(就職活動や進学の問題は有りますが)。今年はそれに加えて、コロナ渦の影響で気軽に越県して見に行けない、応援に行けないところが、ちょっと辛いですね。来年以降はぜひとも解消して欲しいものです。

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さて、この大会を撮っていて気付いたのが、40分ハーフの試合だということ。U-15とは15歳以下ですから中学生年代です。女子中学生にフルピッチで80分の試合をさせるというのは(酷暑でなくても)、なかなか厳しいと感じました。昨年までのこの大会は、30分ハーフの60分の試合でした。僅かの違いと思われるかもしれませんが、プレイする側から見れば全然違います。フルピッチ40分ハーフの試合というのは、男子高校生の標準的な試合です。もちろん試合中の選手交代はできますが、5名以内(ただし、後半の交代回数は3回以内)。これはU-15男子の大会に準じた結果ではないか、と推測してしまいます。小学生もそうですが、この中学生年代も成長過程の選手たちです。U-15と一括りにしても、まだまだ体の小さい子もいれば、高校生並みの体格の子もいます。何も体格だけで選手の優劣が決まるわけではないですが、一試合80分間フルピッチを走り抜けられる体力が要求されます。これはそういったフィジカルトレーニングを積んで、技術だけでなく体力面でも優れた選手を多く揃えないと上位には上がれない大会、と思ってしまいました。つまりは、大型クラブチーム同士の上位争いになるなあ、と。でも私は、義務教育期間中の中学生女子に、根性論を押し付けることを良しとは思っていません。
小学生の全国大会は、ハーフピッチで8人制、20分ハーフの40分間の試合です。それが中学生になると、いきなりフルピッチで11人制、30~40分ハーフの試合になります(地方大会では規定に差異がある場合有り)。この差はちょっと大きすぎるのではないか、と以前から感じています。それが「女子も」となると、一般の中学校部活チームや街クラブでは、なかなか敷居が高いのではないか、と現時点ではそう思えてしまいます。男女平等を無視するつもりはありません。成人では男女とも同じ規定で試合が行われるので、中学生以上では同じ、という考え方は理解できる一方、現実には女子サッカーのすそ野はまだ狭いのですから、それを広げるには(前回は高校年代の話を書きましたが)、この中学年代の底上げも必須だと思うのです。サッカーピラミッドの高い方から見れば、より厳しい条件で勝ち上がって来る選手やチームを育てたい思いが有るのでしょうが、すそ野から見れば、まだまだ頂を高くする為にすそ野を広げるべきではないのか、とも思ってしまいます。

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ユニクロキッズ大会のことも書きましたが、未就学児にボールを蹴る楽しさを教えてサッカーへ誘う、技術習得の速い小学生に試合に出ること、勝つことの夢を教える、それは大切なことで、これからも勧めていかなくてはならないことだと思います。そして、そうしてサッカーに魅力を感じた小学生男女が、スムーズに中学生になっても続けられるような体制を作ることも必要なのではないか、とも思います。男子に関しては、あくまで地方在住の私の目から見ただけですが、ある程度できつつあるように思います。そこで、女子も同じように、との考えは理解できますが、一部の大型クラブチームしか勝てない大会を開催するだけでは、女子サッカーのすそ野を広げるにはどうかな?、と思った次第です。

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それでも、全国大会に出られるかどうか、全国大会で勝てるかどうか、の試合となれば、女子中学生といえど、選手は全力を尽くします。勝って仲間と喜び、負けて悔し涙を流す、それは年代性別を問わず共通です。スポーツの、チームスポーツの素晴らしさだと思います。ピッチサイドからレンズを向ける彼女たちを写真に収めながら、そう感じると同時に、今後の少子化が危惧される日本で、「子供の数は減っているが、女子サッカー人口は増えている」そうなって欲しいと思いました。

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(今回も大会期間途中なので、掲載写真は無難なものしか載せられませんでした。スミマセン)

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