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「何度でも」 [本・映画・アニメ・詩歌]

2020年も、まもなく終わりを告げようとしています。そしてこの2020年は間違いなく、新型コロナウィルスに苦しめられた年として、後世まで記憶されることでしょう。一年前の昨年末、現在の状態を予想できた人は、殆どいなかったのではないかと思います。それが日本中で、いや世界中で、不安と苦悩と不自由を強いられている。しかも全世界の英知を結集しても、未だその暗いトンネルの出口を明確には見出せずにいる。今を生きるのに精一杯で、来る年に明るい未来を重ねることができない人たちも居ることでしょう。でも、それでも、2021年はやって来ます。うつむいたままで新年を迎えるのは辛いと思い、今回は応援歌を紹介したいと思います。2005年2月16日発売、DREAMS COME TRUE の35作目のシングル、「何度でも」です。

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こみあげてくる涙を何回拭いたら 伝えたい言葉は届くだろう?
誰かや何かに怒っても 出口はないなら
何度でも 何度でも 何度でも 立ち上がり呼ぶよ
きみの名前 声が枯れるまで
悔しくて 苦しくて 頑張ってもどうしようもない時も
きみを思い出すよ
10000回だめで ヘトヘトになっても
10001回目は 何か変わるかもしれない

男女の揺れる想いやラブソングがメインのドリカムにしては、極めてメッセージ性の強い楽曲だと思います。この歌詞には、特別な説明も必要ないでしょう。難解な比喩など使われていません。言葉が曲に乗り、そのままストレートに聞く者に突き刺さっていきます。

口にするたび 本当に伝えたい言葉は ポロポロとこぼれて逃げていく
悲しみに支配させて ただ 潰されるのなら
何度でも 何度でも 何度でも 立ち上がり呼ぶよ
きみの名前 声が枯れるまで
落ち込んで やる気ももう底ついて 頑張れない時も
きみを思い出すよ
10000回だめで カッコ悪くても
10001回目は 何か変わるかもしれない

「何度でも 何度でも 何度でも 立ち上がり呼ぶよ きみの名前 声が枯れるまで」このフレーズが三回出てきます。これがこの詩の主題に違いないと思うと同時に、この詩が応援歌である所以だと思います。そして、応援する側もそれを力にしていく、と告げています。他者を見て自分を顧みる、他者を応援しながらも自分の糧とする、そういった相互理解と協調の詩でもあるのです。

前を向いて しがみついて
胸掻きむしって あきらめないで叫べ!

何度でも 何度でも 何度でも 立ち上がり呼ぶよ
きみの名前 声が枯れるまで
悔しくて 苦しくて 頑張ってもどうしようもない時も
きみの歌を思い出すよ
この先もつまづいて 傷ついて 傷つけて
終わりのない やり場のない 怒りさえ もどかしく抱きながら
どうして分からないんだ?伝わらないんだ?
喘ぎ 嘆きながら 自分と戦ってみるよ
10000回だめで 望み無くなっても
10001回目は来る

きみを呼ぶ声 力にしてくよ 何度も
明日がその10001回目かもしれない


私がこの詩を知ったのは随分前のことですが、ある高校生の試合中に応援の子たちが歌っていたのを聞いた時でした。思わず手に持ったカメラを下げ、聞き入ってしまいました。その歌声は決して洗練されたものではなかったですが、「心が震える」というのはこういうことか、と思いました。そして今年、この歳になって大型自動二輪の免許に挑戦し、何度か挫折しそうになった時、この詩を思い出しました。くじけそうになっても「何度でも」挑戦してみる、そうすれば明日は変わるかもしれない、そうこの詩に教えられたような気がしたのです。

まもなく2020年が終わります。今年は人生で最悪、どん底、絶望、言いようのない悔しさ、苦しさ、悲しさ、そんなものに苛まれた方々がきっといらっしゃることでしょう。年が変わったとて、それが全て払拭できるわけではないでしょう。だとしても、何度でも立ち上がり、何度でも挑戦する、何度でも戦ってみる、何度でも頑張ってみる、それが明日の10001回目に繋がると信じましょう。
今年一年、お世話になりました。この記事をもって、今年の締めとさせていただきます。ありがとうございました。




DREAMS COME TRUE 「何度でも」


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