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サッカー撮影16(斜光 後編) [サッカー撮影]

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チーム撮りをしている方にとっては、レンズを左右に振っても露出変化が少なく、光の方向というのがはっきりせず、従って選手の顔に陰影がはっきり出ない環境、つまりは曇天だと、実は撮りやすいのではないかと思われる。そうした光によるコントラストが少なければ、選手の表情やボールに関わる姿勢などに集中して、シャッターチャンスを狙っていけばよいのだから。多少の光量不足はあるかもしれないが、日中屋外競技のサッカーの場合、ISOをちょっと上げれば対処できるはずだから、歩留まりが悪くなる晴天の斜光に比べれば、「撮り易さ」という点の軍配は明白である。

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ここでデジタルの恩恵を利用してみてはどうか。どれだけ枚数を撮ってもコストは変わらないのである。前回、サッカーにはサイドチェンジがある、と書いたが、順光状態のサイドで使える写真を量産することに集中し、逆光状態のサイドでは、歩留まりが悪くなることを覚悟の上、チャレンジングな画を試みる、という撮り方はどうだろうか。また、斜光の練習試合などでは、使える画の枚数が少なくなる事を覚悟の上で、狙いを絞ってチャレンジし、大切な試合などでは、平均値アップを目指したチーム撮りに徹する、というのもアリかもしれない。

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そして、そうしたチャレンジの場合にこそ、RAWを利用することをお勧めした。RAWで撮ったとて、逆光が順光に変わる訳ではないが、RAWで撮っておけば、後処理のマージンが増え、現像の際に希望する効果が得られる場合もある。どんなチャンスも逃すまい、と間口を広く保ったままの設定でシャッターチャンスに集中しても、RAWなら後で救済できる場合もある。今のデジタル一眼には、殆どの機種でRAW撮影ができるはずだから、こんな時に使ってみるのも意義あることだと思う。

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写真には、光の当り方による表現技法というのがあって、もちろんそれはサッカー撮影にも当てはまると思う。ただ、静物ではなく動体、しかも予め決められた場所を動く競技ではなく、予測できない不規則な動きの被写体だから、撮影者自身が想像力と描画意欲を膨らませようが、そのとおりにはなかなかなってはくれない事が多い。しかし、斜光を逆手にとって、これを表現の一手に使えないか、という余力というか「引き出し」を持っていることは、常に使う・常に成功する、とはいかないまでも、何らかの役に立つこともあるのではないか、と前向きに考えることにしたい。

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顔は捨て、選手のシルエットや影を主題に据える。強烈なコントラストを利用して激しさ・力強さを狙う。選手の髪や輪郭が黄金色に輝く瞬間を逃さない。斜光を利用した画だと、そんなところが思い浮かぶ。しかし私はアマチャアで、写真家でも芸術家でも、デザイン学校や写真専門学校の講師でもないので、こうした斜光を利用した写真表現についてのノウハウを、どんな写真が良いのかを、ここで述べるほどの実力は持ち合わせていない。斜光でイヤだなあ、と思いつつも、様々に工夫しつつも撮り続け、その中に僅かでも納得できる画があればヨシ、とするくらいだ。How To的には、何ら結論めいたことを書けず、大変申し訳ないのだが、個人的に斜光状態でも納得できた画を載せることで、お許しいただきたい。

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(今回の掲載画像は、全て15時以降に撮ったものです)

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