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サッカー撮影15(斜光 前編) [サッカー撮影]

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今年の夏至は6月22日。今頃から夏休みが終わる頃までが、一年で最も昼間の長い時。そうなると、早朝とか夕方といった時間帯での試合も多くなります。暑い中での撮影も大変ですが、そういった太陽光が斜めから射す「斜光」での撮影もまた難儀でもあります。今回は、こういった点を考えてみたいと思います。

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一般的に、被写体に対して斜めから射す光のことを「斜光」と呼び、立体感や質感を表現しやすいと言われている。陰影を際だたせる効果を生み、均一に見える色面でも、その反射光などによって微妙な質感表現ができることを指していると思われる。しかし、ことサッカー撮影においては、なかなか難題になることも多い。被写体である選手が動体で常に動き回り、そしてその動きが一定ではない事。広いグランドでの撮影なので、撮影場所を瞬時に変えることができない事。それらが斜光を積極的に描写表現の手法として利用することを難しくしている。

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被写体である選手が順光であれば、その顔や表情までがしっかり写し撮ることができるが、これが一転して逆光だと、選手の顔は陰で真っ黒になってしまう。もちろん、フラッシュやレフ板を使うわけにはいかない。チーム撮りをしている方で、自チームの選手をなるべく多く撮りたい場合などでは、時に撮影ポジションをかなり工夫しないと、顔のはっきり写った写真を量産することが難しくなってしまう。また選手のポジションによっては、使える写真が一枚も無い、という選手が出てきてしまう事もある。

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上の写真は、同じ日・同じ試合で撮ったもので、RAWで撮影したが、現像パラメーターは同じにしてある。向かって左側は、12月5日15:41:36撮影。選手の影を見れば分かるように、逆光状態。それに対して右側は、同日15:44:45撮影。何とか斜めからの光で捉えられた対戦選手の写真。撮影者である私は、タッチライン沿いに適宜移動しながら撮ったのだが、斜光状態でレンズを振りながら両チームの選手を追っていると、こんな写真が混在する。どうしても当り外れの出やすい事は分かっていただけると思う。

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上の写真も、同じ日・同じ試合で、同じ選手を撮ったもの(同様に、AWで撮影したが、現像パラメーターは同じ)。向かって左側は、10月12日16:25:24撮影。対して右側の写真は、同日16:26:39撮影で僅か1分程の違いしかない。この選手はボールを持つと基本的にはゴールに向かうFWの選手だが、それでも試合中はグランド内で様々な方向へ向く。斜光下で動き回る選手を追えば、順光・逆光・半逆光が容易に変わるという事が分かっていただけると思う。

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幸いサッカーは、前後半でサイドチェンジとなるので、なるべく順光状態の時に集中して撮り、逆光状態の時にはチャンスを逃さない、といった撮り方で私は対処しているが、こうした斜光状態でのチーム撮りは、なかなか難しいと思え、試合開始時間と天候次第で、撮影意欲が萎えてしまう事も多いのではないだろうか。

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