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CANON EOS R3 ファーストインプレッション(後編) [カメラ機材]

今回はAF以外のその他の項目について、R3のファーストレビューを書いてみたいと思います。

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まず電子式ビューファインダー(EVF)についてですが、R7のようなキレイに見せよう要素が若干少なく、R3の方が光学式ファインダー(OVF)に近いと思いました。私はサッカー撮影では両目を開けて撮ることをR7の時に書きましたが、その場合はR3の方が違和感が少ないです。特に日中は「OVFビューアシスト」をONにすると、その傾向が強くなります(ミラーレス機の「記録される画像を見ながらシャッターを切る」という点は放棄することになりますが)。ただし、このOVFビューアシストをONにするとファインダーの明るさ調整ができなくなるので、ナイターや屋内の暗い条件下では、妙に明るく表示されるので、使い方を選びますし、自身の経験と煮詰めが必要と思いました。
R7のEVFは約236万ドットでしたが、R3は約576万ドットと倍以上に高精細で、しかもセンサーが裏面照射積層CMOSセンサーとなって読み出し速度がR7より早いので、当然R3の方がEVF表示速度も速いはず。サッカー撮影ではレンズを振って被写体を追うことが多いので、この点はR3の優位を感じるところですし、価格差が如実に反映しているところです。実際、サッカー撮影の実戦に投入すればこの差は明らかで、OVFと遜色無い、とは言えないにせよ、使えるレベルだと思いました。
連写速度に関しては、以下の表のとおりです。
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サッカー撮影が主目的の私が注目するのは、高速連続撮影+のメカシャッター/電子先幕シャッターの連写速度です。R7は約15コマ/秒なのに対してR3は約12コマ/秒。R3の方が画素数も少ないので1枚当たりの容量も少ないのに(R3のRAWは約25~30MBぐらい)これはどうしたことでしょうね。R7では連写速度を任意に設定できないことを不満点としましたが、R3もできません。このユーザー自身が連写速度の変更ができることは極めて重要だと思っているのですが、残念です。レフ機でも7Dや7D2は連写速度の任意設定はできず、1D4や1DX2はできるので、きっとR1には乗せてくるのでしょうね。それでも落胆はしていません。R7の時に「15コマ/秒でも多いくらい」と書きましたが、12コマ/秒で撮れるなら、私的には十分です。
記録メディアは以前ご紹介したUHS-ⅡのSDカードですが、R7同様、書き込み中でシャッターが切れない、といった事態になることはありませんでした。R7で書き込みランプ点灯が気になったことがあった、と書きましたが、R3ではそれはありませんでした。

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デジタルカメラに付き物のレリーズタイムラグは、動体撮影者にとっては気になるところ。レリーズタイムラグとは、カメラでの撮影時にシャッターボタンを押してから実際に画像が記録されるまでの時間差のことです。EVFのミラーレス機ではさらに気になりますが、R3にはR7には無い「レリーズタイムラグ最速化」という機能があります。通常撮影時のレリーズタイムラグ(電子シャッター/電子先幕ともに約50ms)を最速化機能を使えば、電子シャッター時で約20ms、電子先幕時で約36msにまで最速化することが可能とのこと(メカシャッターは約76msで短縮できない)。私が従来から使っている1DX2にもこの機能が搭載されていますが、これまでは最速化せずに使ってきました。ミラーレス機のR3では、EVFの表示ラグも考慮すれば、またメカシャッターの約76msはちょっと大きすぎるので、「電子先幕で最速化ON」が私のデフォルトになりそうで、この機能の有無は、R7に対してR3の優位性を示す一例だと思います。
高感度についてですが、R3は常用感度ISO100~102400を謳っているように、APS-C約3250万画素のR7に完全に勝ります。圧勝と言ってよい差を感じます(これはRAWでの比較であり、JPEGではその差が縮まる可能性が有りますが)。フルサイズセンサーで約 2410 万画素は、現在では少なく感じられるかもしれませんが、キヤノン初の裏面照射積層CMOSセンサーの受光効率の高さが効いているのではないか、と推測します。

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1DX2と同じLP-E19バッテリーを使い、1200枚ほどサッカー撮影して残量は半分程度残っていましたから(全てファインダー撮影)、ミラーレス機としてはマズマズでしょう。そしてR3のボディ。R7に比べてこの大柄なボディは大容量バッテリーの搭載と共に、縦位置での撮影を容易にした、これまでの1D系列のボディです。7Dの時にバッテリーグリップを酷評し、7D2の時にマシになったかな、と書きましたが、R3の縦横で握り心地は若干違いますが不満無しで、縦横一体型のスクエアなボディはやはり便利で意欲を沸かせてくれます。1DX2と並べてみれば、R3の方がちょっと小さいですが、重量は1DX2が本体のみで約1340gなのに対して、R3は約822gです。見かけによらず軽いのです。
R3の注目機能である「視線入力機能」ですが、私自身がメガネ装着で撮影していること、この機能をキチンと使うにはキャリブレーションが必要なこと、等の理由により、まだ使っていません。なので、詳しいレビューは現時点では省かせていただきます。なお、今回もRAWで撮ってDPP(最新バージョン)で現像しましたが、1DX2では一枚当たりのRAW現像時間は(私の現在のPCでは)5秒程で済みますが、R3では15秒ほどかかりました。画素数的には2割増し程度なのですが、R3のRAW現像がこれほど長いのは意外でした。



ザっと、このR3のファーストインプレッションを書いてきましたが、R7とはちょっと違う点がお分かり頂けたでしょうか。まだまだ使っていくうちに感じたことや疑問点がでてくるとは思いますが、それはまた順次書いていこうと思っています。

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(以上はあくまで私個人の初期での感想であり、誤りや誤解のある表現が有ればご容赦ください)

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