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サッカー撮影39(画になる子) [サッカー撮影]

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「サッカーを撮る」ということは殆どの場合、試合中の選手を撮るということと同意だ、と前回も書きました。サッカーは11人がチームを組んで行うチームスポーツです。自分のひいきのチーム、自分の子の所属しているチームを撮っている方々には、なかなか難しいことですが、出来る限り全員を、まんべんなく撮ってあげたいですね。そうして撮り続け、結果を確認する作業を繰り返していくと、「画になる子」というのが存在することに気付くことが有ります。ここでは、そんな「画になる」とはどんな選手なのか、考えてみたいと思います。

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この場合の「画になる」とは、(サッカーをあまり知らない人を含む)一般的な多くの他者が見た場合に、サッカー写真として整った姿・場面を成してくれる選手、表現してくれる選手のことだと仮定します。そして、そんな場面・表現を与えてくれるケースの多い選手が「画になる子」というわけです。まず、試合中の選手を撮るという人物撮影の面からは、やっぱり顔の表情は欠かせません。ただ、サッカー写真である事、プレイ中の選手を撮るという事、を考えるなら、試合中にボールを保持する、ボールを見つめる、ボールに向かっていく、といったシーンにおいての表情、となると思います。故に、
・ボールを保持しても、下ばかり向く選手
・プレイ中に表情が崩れる選手
・ポーカーフェイスで、どういった場面でも表情に変化が無い選手
は、なかなか画になり難いと言えます(作例を挙げたいところですが、それはご勘弁を)。
逆に、
・顔を上げてボールを保持できる時間の長い選手
・その時の闘志や必死さ、真剣さが顔の表情に表れやすい選手
・激しい動きをする選手
は、撮っても画になる場合が多い選手と言えます。
これらのことは、その選手が上手いか下手か、その試合に勝利するかどうか、は関係ありません。
私は自分の子の所属チームも撮りますが、県協会のカメラマンとして様々な試合の撮影もします。その場合、両チームの選手構成、力関係等の予備知識はゼロで撮り始めます。つまりは、どちらかのチームを撮る、どの選手を撮る、というのではなく、その試合で良いシーンを撮る、ということに、まず第一に重点を置きます。そうして10~15分も撮り始めると、特に意識せずとも自然に、枚数多く撮れてしまう選手がでてきます。それはどんな選手かというと、やっぱりボールを扱う回数・時間が多く、闘志や賢明さの表情に富み、躍動感溢れる動きをする選手、つまりはそのチームの中心選手である場合が多いです。そして、その選手が「画になる子」という訳です。

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広いグランド上で22人の選手が動き回る試合の中で、輝いては消える宝探しをしていると、どうしてもこうした「画になる選手」の画が多くなりがちです。これは、より良い写真を撮ろうとするカメラマンとしては、しかたないことかもしれません。しかし、チーム撮りをしている方や記録としてその試合を残さねばならない場合、そればかりでは困ることが有ります。そこで私は、予備知識無しで撮り始めたとしても、こうした画になる選手を見つけたら、撮るレベルを一段上げます。普通に撮っていても枚数多く撮れるのですから、よほど良いシーンでないとシャッターを切らない、という風に。その代り、その他の選手の良いシーンを撮り逃がさないように、意識して注意をそちらに向けます。そうすれば結果的に、一試合を通じて良いシーンを狙いながらも、一枚も撮っていない選手というのが無くなり、もちろん選手によって撮影枚数の差は出ますが、比較的全員の写真を撮ることができると思います。

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サッカー写真といっても実は様々で、スポーツである以上動体撮影であり、動的な躍動感を追う場合も、逆に静的な緊張感や寂寥感を表したい場合も、光・観客などの周囲の環境を利用した表現を写し撮りたい場合も、いろいろあると思います。そして、そのそれぞれで「画になる選手」というのは違ってくるかと思います。「画になる選手」のバリエーションを増やしてみることも、撮影者に求められるスキルなのかもしれません。

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