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サッカー撮影63(1.4xテレコン or APS-C機 その2) [サッカー撮影]

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前回の記述で、フルサイズ用レンズを使ってAPS-C機で撮影した場合も、テレコンを使って撮影した場合も、レンズの中心部分の一部で画を構成していることを説明しました。どちらの場合も、焦点距離を伸ばしたような効果とは、マスターレンズの本来得られる画より狭い範囲を使うこと、つまり狭い画角にすること、なのです。さて、それらを前提にして、話を最初に戻します。
私がサッカー撮影でメインに使っている1D4+EF400mm F2.8 L IS、これはフルサイズ換算で、400×1.3=約520mm。これで通常は過不足なく撮れていなのですが、もう少し焦点距離が欲しいという事態になったとき、ボディを7Dにすれば、400×1.6=約640mm。約120mm分だけ焦点距離を延ばせる計算になります。ご存じのとおり、サッカーという競技は広いグランド内を前後左右に常に動き回る選手が被写体ですから、焦点距離が長ければイイ、という訳ではありません。1D4+EF400mm F2.8 L IS+1.4xテレコンでは、400×1.3×1.4=約728mmとなってしまい、テレコン無しより約200mmも長くなります。これでは私の願う「もう少し」の許容範囲を超えてしまい、かえって画角が狭くなりすぎて撮りづらい結果を招きます。焦点距離的に考えれば、7Dの選択は妥当だったと思っています。
作例を一つ上げます。下の写真は、1D4+EF400mm F2.8 L IS で撮ったノートリミング画像です。

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これを、もしボディをAPS-C機の7Dで撮ったら(レンズは同じものを使う)、下の画のような大きさになります。

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しかし焦点距離的に望むものが得られたとしても、ボディの性能差は享受しなければなりません。一世代前の1D系とはいえ、1D4と7DではAF性能の点で差はあります。初速の速さ、追従能力、僅かに外しても次のコマでジャスピンにできるレスポンス、これらの点でやはり7Dは及びません。ただ、その7Dとて自分の持ち物。臨時の借り物ではないのですから、その程度の違いは織り込み済で、それを踏まえた設定と撮り方をすれば、1D4ほどの信頼感は無いにせよ、それなりの成果は期待できます。実際、そうやって昨年末の全日本女子を撮り終えた次第です。
これは私のメイン機である1D4がAPS-H機で、フルサイズ換算1.3倍になるからであって、たとえばフルサイズ機である1DX+EF400mm F2.8 L ISを使っていたとしたならば、どうでしょう。焦点距離400mmのこの組み合わせでは少し長さが足らない、と思った時、1.4倍テレコンを装着するか(換算560mm)、APS-C機である7Dにボディを替えるか(換算約640mm)、さてどちらの選択が良いでしょうか? もちろん、舞台はサッカー撮影において、です。

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上の写真
CANON 1D MarkⅣ+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm(換算約520mm) 絞り優先AE シャッター速度 1/2000 絞り F3.5 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 160  AI SERVO AF  RAW ノートリミング
下の写真
CANON 7D+EF400mm F2.8 L IS
焦点距離 400mm(換算約640mm) 絞り優先AE シャッター速度 1/2000 絞り F4.0 評価測光
露出補正 -2/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW ノートリミング

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もう2枚張っておきます。同じ日に撮った写真で、どちらもノートリミングです。

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上の写真
CANON 1D MarkⅣ+EF300mm F2.8 L IS
焦点距離 300mm(換算約390mm) 絞り優先AE シャッター速度 1/1250 絞り F3.5 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 100  AI SERVO AF  RAW ノートリミング
下の写真
CANON 7D+EF70-200mm F2.8 L ISⅡ
焦点距離 150mm(換算約240mm) 絞り優先AE シャッター速度 1/400 絞り F4.0 評価測光
露出補正 -1/3  ISO 125  AI SERVO AF  RAW ノートリミング

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サッカー撮影62(1.4xテレコン or APS-C機 その1) [サッカー撮影]

このブログで以前書いたことがありますが、昨年12月に皇后杯全日本女子サッカー選手権の撮影に行きました。場所は私のホームグランドだったのですが、いつものように撮影ポジションを自由にできず、限定された場所からの撮影を余儀なくされました。機材はいつもの、1D MarkⅣ+EF400mm F2.8 L IS だったのですが、これだとちょっと短いか、と思えることが出てきてしまいました。さてそこで、1.4xEXTENDER(テレコン)を使うか、との考えが出てきてしまいます。光量的にはISOをちょっと上げるだけで対処できると思われる状況でしたし。しかし、そこで私がチョイスしたのは、サブ機として持ち込んだAPS-C機の7Dにボディを替えることでした。もちろん、1D4と7Dの性能差はあるのは承知の上ですが、これで何とか乗り切った次第です。
さて今回は、このケースを題材にして、1.4倍テレコンとセンサーサイズの小さいAPS-C機を考えてみたいと思います。もちろん、「サッカー撮影において」という前提ですので、静物撮影やもっと焦点距離の短いケースでは当てはまらない事もあると思いますので、その点はご留意ください。

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一眼レフのデジタルカメラをお使いの方には、もう常識的な事なのですが、まずはおさらいしておきます。
1枚の写真を36mm×24mmのフィルムに写すために規格された一眼レフカメラとそのレンズ。このフィルムを電子センサーに置き換えたのがデジタルカメラです。受像センサーをフィルムと同じ大きさにすれば、このようなことにはならなかったのですが、当時(そして今も)高価なセンサーをその大きさで搭載すれば、カメラ本体の価格が跳ね上がり、市場浸透力が劣る結果を招くだろうと思った各メーカーは、APS-Cという既に忘れ去られたようなサイズを持ち出して、既存の一眼レフボディに搭載することで価格を抑え、普及に努力し始めたのが10年以上前のこと。その目論見は程なく当たり、今に至って更に価格下落を呼び、一眼レフデジタルカメラが一部のお金持ちの道楽の道具ではなく、特段珍しくないものにまで普及しました。そしてコスト削減と量産効果もあって、本来のフィルムと同じ36mm×24mmの受像センサー(APS-Cに対してフルサイズと呼ばれてます)を搭載した機種も、まだ高価ながら複数の機種が存在するに至っています。主にコスト面での妥協によって出てきたはずのAPS-Cサイズセンサー搭載デジタル一眼レフカメラは、では無くなっていくのでしょうか? APS-C機専用のレンズも含めて広く普及に貢献した結果、今では立派に確立されたものとして、今後しばらくは無くなることはない、と私は思っています。

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APS-Cサイズは各社・機種によって若干の大きさの違いはありますが、上図のように、面積的には概ねフルサイズの半分以下です。レンズによって入射される画の中心部分のみを受像して記録するために、その画は実際に使われるレンズの画角よりも更に狭い画角の画となり、故にこの画角の狭小化がレンズの焦点距離を伸ばしたような結果を招きます。CANONで言えば、使用レンズの約1.6倍(NIKONでは約1.5倍)の焦点距離のレンズを使ったのと同等と言われています。私が現在もメインに使っている1D4のAPS-Hセンサーは27.9×18.6mmで、フルサイズとAPS-Cとの中間的な大きさですが、これも約1.3倍の望遠効果があると言われています。一眼レフカメラはレンズを通して得られた画を、ミラーで反射して直接見ることができることが大きな利点の一つなのですが、その画の一部しか記録しないとなると(面積的にフルサイズの半分以下となると)、ファインダー内で見る画が小さくなって見難くなると思われますが、実際にはメーカーはファインダー倍率を少し上げることによって、その弊害を少なくするように苦心しています。

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ここまでは私がわざわざ書かなくても、既にみなさんご存知のことと思いますが、以上の概念図を用意しましたので、下に載せます。正確な縮尺の元での画ではなく、あくまで概念図ですので、感じだけ分かってください。

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これに対してテレコンはどうでしょう。動画のビデオカメラと違い、一眼レフスティルカメラにおけるテレコンとは、レンズとボディの間に挟み込むレンズのことで、装着するマスターレンズを通して得られた画を1.4~2倍に拡大して受像センサーに導きます。レンズを通って来た画がフルサイズセンサーに合致した大きさだとしても、それを拡大して大きくするのですから、その拡大した画全てを受像できるわけもなく、画中心部分の一部を受像するということになります。つまり、1.4倍にしろ2倍にしろ、テレコンを使うということは、レンズを通って来た画の中心部分を拡大して記録することであり、画として使われるのは、マスターレンズの中心部分なのです。これは先にテレコンを使わないAPS-C機の、フルサイズ用レンズを通して得られた画の中心部分(APS-C面積)のみを記録することに似ています。
もちろんご存知のように、テレコン使用には欠点もあります。レンズとボディの間に更にレンズを入れるのですから、透過光の減少を招き、開放F値が低下すること、現在の電子マウントではレンズとボディはデータ通信を行って測距&モーター駆動していますから、間に介在する機材が増えることでAF速度の低下を招くこと、レンズを通った画を更にレンズを追加して拡大するのですから、解像度の低下や収差などのマイナス面も拡大してしまうことなど、等です。
ではフルサイズセンサー用レンズに1.4倍テレコンを付けてAPS-C機で受像した場合はどうでしょう。元々、レンズを通って来た画の一部しか受像しないのに、そのレンズを通って来た画を拡大した上で、小さいAPS-C面積しか受像しないとなると、実際にレンズを通って来た画の更に一部しか受像していないことが、下の概念図からもお分かりいただけるのではないでしょうか。そうした狭い画角(つまりはレンズ中心の一部しか使っていない)になるからこそ、焦点距離が延びたような効果を生むのです。それ故に、レンズ中央部の狭い範囲での解像力・分解能力が非常に高いものでないと厳しい、という結論に達するように思えます。

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私の結論から先に申し上げれば、フルサイズ(またはAPS-H)機にテレコンを使うことが有っても、APS-C機にテレコンは避けたい、です。

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上の2枚の写真は1D MarkⅣ、下の2枚は7Dです。使用レンズはどちらも、EF300mm F2.8 L IS。

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VAIO [パソコン]

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パソコンの話題をもう一つ。
既にご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、ソニーがパソコン事業からの撤退を発表しました。
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201402/14-019/
ソニーのパソコンと言えば、VAIO。それを投資ファンド会社「日本産業パートナーズ(JIP)に売却し、新会社を設立してVAIOブランドのパソコンの生産を続ける、というニュースが2月6日に流れました。ソニー製のVAIOは今春モデルで最後、以後は別会社が生産するVAIOとなるらしいです。
いちおう私もVAIOユーザーなので、この報にはちょっと残念感が拭えません。1996年発売開始されたVAIOは、それまでNECや富士通が大手を振っていたパソコン業界に一石を投じました。個性的なスタイルや音楽・ビデオ編集機能の強化で注目され、パソコンの家庭への浸透と同時に、ブランド力は確立されていったと思います。私が2代に渡って購入したデスクトップのRシリーズなどは、Adobe PhotoshopやAdobe Premiereという(今でも)高価なソフトを標準で内蔵し、画像・動画編集を行うためのパソコンでした。そんなの当時はVAIOしか無かったです。確かに非常に高価でしたが、当時まだ貧相な液晶モニターが多いなか、セット販売される液晶モニターは現在の基準から見ても美しかった。ノートパソコンは(結局私は購入することは無かったですが)、隅々までデザインにこだわり、当時はまだ無骨だったノートパソコンにデザイン性・スタイリッシュ性を加味し、自室以外で使うユーザーにその点で満足感を与えた製品を供給し続けました。その成果は十分あって、ソニーのVAIOブランドは立派に確立されたと思っていたのですが。
我が身を振り返ってみれば、そんなVAIOのR63・RA-73Pを使ってきた私が、デスクトップを今も使い続けているのにメーカー製パソコンから離れてしまったのは、(たぶんパソコンユーザーの一部でしょうが)こうしたヘビーユーザーがメーカー製である安心感よりも、限られた予算を必要な部分に投入できる、自作やショップのBTOへと流れてしまったこと(それにはネットでの情報普及も加担したでしょう)。家庭へのパソコンの普及は、ライトユーザーの増加を生み出し、それらは国内メーカーの安心感は必要だったかもしれませんが、それが一段落して、買い替え・買い増し需要となると、より低価格な海外メーカー製のパソコンに目が向けられてしまったこと。そして、iPhoneやiPadといったスマートフォンやタブレットの普及とそれによる若年層の取り込み。それら時代の流れが、高付加価値のVAIOを苦境に立たせたのかもしれませんね。法人向け市場ではまだ国産メーカーは頑張っているようですが、そうした法人向けではなくパーソナリティ重視の製品展開だったから「VAIOらしさ」だったのですから、今回の結果は残念ですが、しかたないのかもしれません。
VAIOブランドのパソコンは今春以降も発売されるでしょうし、これまでのVAIOのDNAを持った方たちが作っていくのでしょうから、しばらくブランド力は維持されると思われます。しかし、VAIOを引き継ぐJIPは投資ファンド会社ですから、それを長く保持することはないでしょう。いづれどこかへ再売却ということになると言われています。日進月歩のパソコンの世界ですから、これから先どうなっていくか、私にはサッパリ分かりませんが、今まだ手元にあるSONY製VAIO RA73Pがちょっと愛おしくなってしまいました。

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東芝製HDDのその後 [パソコン]

昨年はメインパソコンを新調したことを、このブログでご報告しました。せっかく新しいマザーボードになって、SATAも6Gb/sになったことだし、と昨年末にハードディスク(HDD)を増設したこともご報告しました。東芝製HDDの3TBのものを導入したのですが、今回はその後、です。
結論から言えば、特別何もありません。初期不良もなく、いたって正常に動いてくれてます。静音性に優れるというWesternDigital製のものと比べても、さほど音量的に変わり無く、7200rpmのアクセスの速さは快適です。もちろんSSDに比べれば落ちるのですが、データ保存用と考えれば、十分な性能だと思っています。今は1/3程データで埋まっていますが、この状態で導入当初に比べてアクセス速度がどうなったか、計った結果が以下のとおり。

東芝製3TBHDDの現在.jpg

HDDはデータである程度埋まってくると速度が落ちてきて、残りが少なくなると極端に落ちる、という傾向があるようですが、今の状態ならまずまずでしょう。2012年に導入したSeagate製HDD 2TBの素のままと比べても遜色無い値ですし。
既に熟成尽くした感のあるHDDですが、やはりちょっとずつ進化はしていて、今回もやはりデジタルものは新しい方が良い、という話でした。

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